王龍×新力 〔性〕
2014/05/13 04:22
薄汚れた世界。
そこに君臨する彼は、相応しいほどに汚れた男だった。
「新。ほら、もっと奥までくわえろ。」
「んっ…んぐっ、んンッ…」
人がやっと2入れるかというくらいの、かび臭く薄暗い部屋。
そこで私は、彼の慰み物にされていた。
「どうした?そんなんじゃあ全部口から出てしまうぞ。ッ…、いいか、出すぞ」
「んぐ…ぅ、ッ…!!」
ぼた たた
飲み込めなかった精液が床に滴る。
口の中に残る生臭い臭いに、私は吐き気を覚えて仕方がなかった。
「おえっ…げほっ、げほっごほ…!」
しかし、ハッとして彼の方を見る。吐く私を見て彼はすごく不機嫌になっていた。彼の冷徹な視線に、身体が凍てつく。
「…飲まないな。お前は。いつもいつも、吐いて床を汚す。」
「ぁ…も、申し訳、ございません………」
「謝るなら飲み込め。ゴミ犬が。」
彼は容赦なく土足で頭を踏み付けた。
「ゴミ犬には躾をしなきゃあならないなぁ。」
「ぅ…し、つけ……?」
「ああそうだ。見ろ。」
そういうと彼は瓶を取り出した。中にはクリームの様なものがなみなみと入っている。
「なんだと思う?」
「……??」
「これはな、精液だよ。精液嫌いなお前のために、色んな奴からとってきてやったんだ。」
「!!なっ、、」
「はは、数日経ってるからなぁ?さぞ臭いだろうよ?」
嬉々として蓋を開ける彼と対照的に、自分がみるみる青ざめていくのがわかった。
自然と身体が後ずさる…。…しかし、それは彼に止められてしまった。
「わかってるよな?お前は、俺のなんだ。なぁ?ご主人様の言うことを聞けない犬がどうなるかも、知らないわけじゃないだろう…?」
「っ…、、」
「返事は」
「……っ」
「……はい、王龍、様……」
私は閉じようとする口を無理矢理開け、瓶を口に運んだのだった。
―――
「…はぁ、はぁ」
ごろりと転がる、彼の死体。
私の手にある、血まみれの刃物。
「はぁ、はぁ…、…」
私が殺したのだ。
「……。」
散々私を嬲った男が、今やピクリとも動かない。それは想像以上に快感だった。
私は解放されたのだ。
…手についた彼の血をじっとみる。
「あはは。なんだ、私も同じじゃないか…」
結局、私も同じ穴の貉だったのだ。
この薄汚れた世界という、暗い穴の。
fin
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