スチュワートとランディ
2012/12/17 02:01
あのキチガイ共に犯されてから、俺の身体にはおかしくなっちまった。
男が欲しくて堪らない。
今はそんな、ゲイみたいな身体。
周りもそんな変化を知ってか、俺を避けるようになっちまった。
…一人の男。
ランディを除いて。
夜、誰もいない公園で飲むのが、あれ以来俺の定番になった。
「よぉ、スチュワート」
…こいつが来るのも。
「今日も一人酒?」
「お前が来たから二人酒だな」
「はは、一人で飲んでもつまらないだろうしな。新しい酒買ってみたんだ。飲もう。」
ランディは揚々と俺の隣に座った。
「お前ってさ」
変わってる。そう言うとランディはきょとんと首を傾げた。
「なんで?」
「俺みたいなやつと飲むから」
「は?前から飲んでるだろ、お前とは」
「そりゃそうだけど。ほら、今は俺さ…」
「?……あ…」
やっと気がついたようだった。どことなく気まずそうな顔をしている。
「…そんな顔すんなって」
「ご、ごめん…」
やっぱり、ゲイみたいな俺からは離れたいのかなと思った。無理して俺と接してるなら、気が引ける。
「…辛い、だろ?」
でも…、どうやら、違ったみたいで。
「え?」
「よ、よくわかんないけどさ…。ほら、何だ、オナ禁みたいな…感じなんだろうなって…」
ランディなりに、俺のことを心配してくれているみたいだった。
「疼きっていうの?ほら、股間がなんか変な感じっていうか…」
「…ランディ?」
「あーだめだ、何言ってんだ俺っ」
そういえばこいつ、以前ジェラルドとそんな仲になったとか…聞いた覚えがある。
そうか。こいつも似た者同士ってわけか…。
「はは、ありがとう」
「!な、何言ってんだ。友達だろ」
「友達…か」
「な、なんだよ?」
「なぁ、ランディ?あのさ…一つ、願い事頼んでいいかな?」
俺はそっと、ランディの手を握った。
「!」
ランディは目を丸くして、みるみる顔を紅潮させていった。
「な、何だ…?///」
「…キス、させて?」
「……」
「…いい、よ///」
しばらくの沈黙の後、ランディはそう答え、俺の手を握り返してくれた。
「辛いん…だもんな?」
「ランディ…」
「うん、いいよ。今だけ…お前のものになってやる」
「…ありがとう、恩に着るよ」
目をつむったランディに、俺は優しく口づけをした。
(あ、)
無意識に入れてしまった舌もランディは受け入れてくれた。
(…あったけぇな)
久々に感じる、男の感触。
それはとても気持ち良かった。
(…。ランディ…)
でも、これは果たして
(好きになりそうだよ…俺)
相手がランディじゃなくても、持ち得た気持ちだろうか…?
fin?
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