ピアーズくんとほのぼの3


「フィオって歌が下手そうだよな」
「……あ?」
「(お、キレた?)なんか音痴そうなイメージがあるんだよ。んで音痴なのに気付いてないイメージもある」
「喧嘩売ってます? ………で、も、…自分自身が気付いてないパターン……あるかもね……ね〜……………」
「おいおい、勝手に落ち込むな〜」
「いや…そうさ。私は歌が下手さ…ド下手さ… もう私なんかに構わないでくれ…」
「…フィオさーん、戻ってきてくださーい。…そうだ、フィオが得意な歌ってないの?よく歌い慣れたヤツとか、歌ってみせてくれよ」
「はあ? いや、得意とかないし…歌い慣れ…ないし…」
「本当にないのか?」
「…あ、…ああー………」
「あるのか?」


「……、『とぅえ れぃ ずぇ くろあ りょ とぅえ ずぇ ――』」
「……ぇ」
「『くろあ りょ ずぇ とぅえ りょ れぃ ねぅ りょ ずぇ』」
「……」
「『ゔぁ れぃ ずぇ とぅえ ねぅ とぅえ りょ とぅえ くろあ』」
「……」
「『りょ れぃ くろあ りょ ずぇ れぃ ゔぁ ずぇ れぃ ――』
「……」「……」
「……」
「……」
「…終わり?」
「……」
「フィオさん」
「……」
「フィオさん?」
「……歌詞わすれた」
「は? あ、ああ…」
「私は世界を救えなかった……!!」
「ど、どうしたフィオ」
「うう〜…忘れるとは不覚…」
「ニホンの歌か? 綺麗な歌じゃないか…!」
「…もっと綺麗で、荘厳なんだよ…美しい歌なんだ…この歌でボスとかばびっと倒しちゃうんだよ……」
「歌も、歌ってるフィオも美しかったよ。息を吸う様とか、伏し目のミステリアスさも、素敵だった」
「…ピアーズ…さん?」
「ん……」
「…寄るな」
「…、何で?」
「寄るなったら寄るな。顔近付けんな」
「何で?」
「何でも」
「……」
「……」
「…フィオ。アンタはもっと、場の雰囲気を読む努力をするべきだ」
「い・や・だ・ね。そういうのやーなの」
「俺の事も、嫌?」
「……」
「今更何を恥ずかしがるんです…」
「……」
「フィオ……」
「…ジャッジメントぉ!!!!」
「ッだぁああ!!!!」



― ― ―
という名の脳天チョップ。
というわけで某生きる意味を知るRPGの挿入歌(?)を使わせていただきました。なんでやねん。
途中から歌よりもフィオさんをどうこうしたくなってしょうがなくなる青年ピアーズ。フィオさん歌の説明してんじゃんよ。
恥ずかしさに手が出るフィオさんを甘んじて受け入れるピアーズくんの優しさよ…
「振り下ろされたあの手の動き… フィオって実は、どっかのエージェントとか。…はは。ま、まさか、なー………(将来BSAAを背負っていくと言われている期待のエース 談」

121020
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