ピアーズくんとほのぼの2


「今度お礼するね〜!ありがと〜!」
「おかえり」
「あれっピアーズ!? ビックリした。もう帰ってたんだね」
「…今のヤツ、」
「ん? ええと、お肉屋さんのご主人」
「それは知ってる。なんでアイツがここにいるのかって聞きたいんだ」
「えっとね、ちょっとお肉買い過ぎちゃって…彼がここまで一緒に持ってくれたの」
「へえ、店は暇してたんだな」
「ちょうど良かった。ピアーズ、部屋までこれ持ってってくれない?」
「いや、アンタが自分で持ってけば?」
「えっ?」
「……ごめん。今のナシ。…これとこれ?持ってくよ」
「…ピアーズ?」
「…ドア、開けてくれるか」
「うん…」


「ピアーズ、」
「ああ」
「あなた、もしかして怒ってる?」
「どうして?」
「顔が怖いよ」
「うまれつきこんな顔さ」
「……」
「…何だよ、なんか言いたげだな」
「…ピアーズがなにも言ってくれないから、怒った」
「は?」
「私も怒ったの。…ピアーズのばか」
「馬鹿…? なあ、それはないだろ。俺だって好きで怒ってるんじゃない。アンタが…!」
「アンタが、なに?」
「…アンタが、アイツと仲よさげに歩いてくるもんだから、妬いたんだ」
「……………、…ん、えっ?」
「もう言わない」
「……」
「……」
「…はぁ〜、心配して損したわ」
「…はぁ?」
「仕事で怪我して元気がないのかなとか、隊員仲間さんと喧嘩でもしてきたのかなとか、そういうのを我慢してピアーズは辛そうな顔してるのかなと心配したんだよ」
「…ちょっと待て。これは心配して損するような事じゃないぞ」
「何よ、まだ怒ってるの?」
「アンタには危機感ってものがないのか? 俺はッ、俺がいない間にあの優男にフィオがたぶらかされたらと心配で心配で…!」
「失礼な… お肉屋さんはいい人だよ。今日もお肉買ったらおまけしてくれたし」
「そうじゃない! ああもう、アンタってヤツはなんでこう…!!」
「…ピアーズ、」
「ああ…?」
「…ありがとね。心配してくれたんだ」
「そりゃ…心配するさ」
「心配してくれるだけの存在になれたんだ、私」
「…当たり前だろ。でなけりゃ、予定時間より早く帰ってきたりしないしな」
「んー…、ピアーズのこと、すきだなぁ…」
「…アンタから『すき』って言葉がもらえただけて俺は満足するのになぁ」
「んー…」
「なんでいっつも言ってほしいのにくれないのかなぁ…?」
「…いっつもはすきじゃないから?」
「…なあ、それは冗談ですよね?」
「…てへ?」
「てへじゃない」





(次の日)

「おう、フィオさんとこの」
「(肉屋の…)先日はどうも。ウチのが世話かけたみたいで」
「なぁにいいって。しかし妬けるねぇ…あんたさん」
「…何か?」
「フィオさん、すんごいニコニコしながらさ、「今日はウチの人が数週間ぶりに帰って来るんです! 彼が大好きなステーキやシチューや、とにかくいっぱい作るんです!」って景気良く一番高い肉買ってってくれてね。他の店の買い物もあるけど量を考えてなかったのか、あんだけ買い込めばフィオさんの細腕じゃ持って帰れないだろうからエスコートさせてもらったんだが… あんたさんの事自慢げに話してくるあの表情で、あんたさんがフィオさんにどれだけ愛されてるのか一目瞭然で…くぅ〜、俺のカミさんもあんな可愛いトコがあればなぁ…!」
「……」
「やべ、カミさんが呼んでる! んじゃな。フィオさん大事にしろよ!」
「ああ、ありがとう…」



「(フィオ…フィオ、フィオ…)」
「ピアーズ、おかえり!買い物ちゃんと出来t」
「…フィオ……」
「ッど! どどどどうしたのピアーズ! 変な物でも拾い食いしたっ!?」
「フィオ…好きだー…」
「うおお、一回もちつこうかピアーズくん! っは、はなれろ…!」
「嫌だ。もう絶対に離さない」
「ああーーー、………もう、好きにせいっ…!」



― ― ―
数行程度のメモの予定が、書いてくうちに長くなってく…てへ!
ピアーズすきーーー!!なフィオさんと、フィオさんが…すきだ… なピアーズくん。

121019
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