ピアーズくんとほのぼの4


「ぅひゃわぁぁ……」
「……」
「ひいぃ……」
「……」
「……………」
「大丈夫ですか?」
「…ぴあーずぅ」
「…大丈夫ですか?」
「……メェリカは、やぱ、すごい。ぱない、スケール。ゆるい、きせい…」
「…? 今、なんて?」
「理解できない。悪いよ、心臓に。ぶちかましやって、臓物、ぐっちゃりと。かけよ、モザイク、かけよ、モザイク」
「日本語…? フィオ。おい、フィオ」
「なんまんだーなんまんだーなんまんだー、夢に出てくるな夢に出てくるな」
「フィオ、フィオ」
「……………ハッ! …ピアーズ……」
「映画は終わりましたよ。…少し、落ち着いてください。ほら、深呼吸…」
「コー、ホーーー… コー、ホーーー…」
「(大丈夫じゃないだろ)」
「……(うるうる)」
「な、なんですか…」
「ピアーズは、慣れたもの?」
「え? っな、何がです」
「任務でやっつけるB.O.W.とか、実際に見てみるとグロテスクな子とかいるじゃない。現場でそれを見てきてるピアーズさんは、そりゃもう慣れたもんなのかなって」
「まあ、そういう目で映画を見てしまえば、リアリティとか、展開とか、ちょっと物足りなさはありますかね。それを抜きにして普通に見れば、なかなか面白い作品だったと思いますよ」
「うん…まあ…確かに、面白かった、けど…」
「けど?」
「………寝れない」
「…え?」
「…一人じゃ寝られなくなっちゃったよ」





「どうしてこんなことに…」
「ピアーズ!はりーはりー!」
「ちょっと待ってくださいよ。今、明かり落としますから」
「や、やめて…」
「…やめて? 電気付けっぱなしにしろと?」
「う、うん………」
「………却下」
「ああっ! ぴ、ピアーズ…ピアーズくん!」
「居ます居ます。ここに居ますから」
「なんで消すの〜…」
「消さないと寝られないでしょう。あっこら、暴れるな!」
「だってピアーズが…」
「…ベッドが狭いんで、もっとくっついてください。落ちますよ」
「ピアーズのにおい…(スンスン) ピアーズ、あったかい…」
「よしよし、早く寝なさい」
「うん…(すりすり)」
「……………はあ…(役得? 生殺し?)」


― ― ―
映画エイリアンの一作目だか二作目だか、エイリアンのクイーンが出てくる作品で、主人公の仲間に人口生命体?の男の人いますよね。エイリアンといえばあの 男の人の身体がちぎれて、上半身の中身が見エテルーーー!!!! ってのが印象的でした。

フィオさんは心霊系ホラーは大丈夫なんですが(科学的根拠がうんぬんで信じていないので)、人間同士や架空のモンスターなどでのホラーは不得意のようです。ヤンデレとか。
ピアーズくんは世界各地のバイオテロ鎮めて回って、中にはとんでもないグロテスクでグロッキーなB.O.Wとも出会ったりしてる、いわば“本職”さんなので、そんじょそこらのホラー物や戦争物じゃちょっとぬるいのかなとか。
珍しく弱いフィオさんと、今日の俺は紳士的。なピアーズくんでした。

121022
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