『僕ロイ』を頑張るロイさま


「だから、一番最初から『僕』は『僕』なんだって言ってるじゃんか、僕は」
「はい…」
「そんなに僕の『僕』がイヤなの? フィオは…」
「イヤとかじゃなくて、その…バリバリの違和感がですね…」
「僕は僕なの。いい加減に僕を認めてくれ」
「……」
「な、なに」
「…『僕』、ね」
「うん。僕だよ。ロイだよ」
「………なんかドキドキしてきたかも」
「え… あ、そう…?」
「ロイさまのその顔のそのお口から出てくる『僕』…っていうところを意識すると、なんかこう、ドキドキと… これって、恋かなぁ?」
「…ごめん。ちょっとキモい」
「なんで!?」
「そんなところに注目してたんだって思ったら僕ちょっと気持ち悪くなったよ…」
「他の罵倒の言葉はいいけど『気持ち悪い』は心にクるからやめてください…」
「…んで、僕の『僕』に感じるバリバリの『気持ち悪さ』はどう? 薄れてきた?」
「今はその『僕』にキュンとくるけれど、まーたぶん慣れてくるでしょ。ロイは『僕』だって、自然に思える日がくるさ」
「そっかー」
「…君も大変だね」
「…うん」

- - -
『僕』の方が普通なんですけれどね…
150825
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