改造乙女と優しいクラッシュ


「おはよう、クラッシュ」
「……」
「クラッシュ?」
「……」
「どうしたの」
「おまえ、なに?」
「なに?」
「おまえ、なに?」
「私はフィオだよ」
「ちがう。おまえ、なに?」
「なに? ええと、どういう意味の"なに?"なんだろう…」
「……」
「…クラッシュ?」
「おれのなまえ、」
「…?」
「フィオはこわれた。フィオはいない。おまえ、フィオじゃない」
「……」
「おまえみてると、どうすればいいか、わからない…」
「……」
「ほんとうはおまえのこと、こわしたい。おまえがおれのなまえよぶと、おまえのこと、ぐちゃぐちゃにしたくなる。でもそれ、みんないやがるからおれ、しない」
「……」
「おまえはフィオだってみんながいう。でもほんとうにそうおもってるやつ、ひとりもいない」
「……」
「おまえ、なに?」

- - -
人間だった頃のフィオさんと一緒に過ごし"あたたかさ"を理解し始めた矢先に…っていう感じの悲しいくらっすたん。
言葉を濁す優しさ。いらないんだよって、ハッキリ言ってやればいいのにね…

131218
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