改造乙女ちゃんと嘆くエレキさん


「こんにちは」
「…! 久しぶりですねフィオさん」
「エレキさん」
「…? フィオ、さん…?」
「……?」
「貴女、本当にフィオさんですか?」
「? おかしなことを言いますね…私は『フィオ』ですよ?」
「……どういうことなのか、説明してください」
「何がです?」
「…"人間"のフィオさんは今、どちらにいらっしゃるのですか」
「人間体であったフィオは死亡し、彼女のバックアップデータを移植し造られたのが私、『フィオ』です。よって、エレキさんの言う"人間"のフィオというのはつまり、私の事を指していると私は捉えます」
「なにを…言っている? 人間のデータを、機械に移し替える…!?」
「それが人間体の――素体『フィオ』の望みでしたから」
「……、…フィオさんが、死亡した、というのは… どういう理由で、亡くなってしまわれたのですか…」
「シークレット事項――です。黙ります」
「……」
「エレキさんやDRNの皆様には生前大変お世話になっていたと"素体"のデータにありました。是非お礼を…と思い、この度伺いました」
「……」
「特にエレキさんには、他のDRNの皆さんに比べお仕事が忙しいようで会うことのできる頻度は少なかったのですが、会えばいつも私の身体を気遣い、身を案じてくださる…紳士的で、とても素敵な "ひと" だと。"素体"は大変好意を抱いていたようですから」
「…あんまり、じゃないですか…」
「エレキさん、どうしました」
「こんなの…あんまりです… 貴女ほどの人が、こんな…こんなロボットを…」
「エレキさん、どうされたのですか?」
「……」
「エレキさん」
「認めません。貴女は"フィオさん"ではない…」
「私はフィオです」
「違う! 何かの間違いだ… フィオさんの悪戯なのでしょう。こんなオンボロで子どもだましな機械なんて引っ張り出して来て、お粗末が過ぎてます…!」
「私はフィオです、エレキさん」
「黙りなさい!」
「はい」
「…ッ、私はどうすればいいんですか… 貴女に期待でもすればいいんですか。ロボットだと、安堵して、…貴女に、接触すればいいんですか…?」
「エレキさん、」
「……」
「私はフィオです、エレキさん」
「……」


- - -
悲恋うっほい!悲恋うっほい!
前にかいた悲しいふらっすでのフィオさんと同じ設定です。うむむ、むずかしい…

131217
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