俺達は驚きを隠せなかった。
何せ大きな光がお台場に落ちてきたのを確認し様として
起き上がってその現場までいくとパレットタウン方面に
ショートカットの少女が一人、コンクリートの上で
倒れているのを俺は見つけた。
その光は大観覧車の上だったのが急に消えてしまった。
「おい、大丈夫か?・・・おい!」


揺さぶってみると瞳が開いた。
彼女の瞳は安心しきった顔をしていたが
質問をしようと京が迫ったりして大変だった。
他にも、ヒカリちゃんやタケルが彼女から1M先に
倒れていた子供達も発見された・・・。
そう、それが俺達の先輩達・・・太一先輩やみつきさんだったとは
俺は最初は信じられずにいた。
でも、先輩達だと・・・冷静に考えてみれば、小学校の時に
見た姿・・・先輩達だった。


遅れて、賢も来てくれた。
ほっとしたがまだ先輩達の状況がよくつかめていなかった。






取り戻す為に







午後の5時のお台場は未だに静かであり普通だったら
眠っている時間なのだろう。
しかし、今日は違かった。
一旦移動した場所に着くとふぅっと安堵した声を上げた。
そこはみつきのマンションであり不信に
見られないようにするのにはちょっと一工夫だ。
5時といえばフジテレビ方面だと朝の撮影なんかは外が
この時間は多い。
ゆっくりとドアを閉めた瞬間みつきが疲れた溜息が出た。

中3の身体だったらあっさりとドアノブが開くと思ったのに
ちょっと力を強く使わないと開けられなくなってしまっていた。
「とりあえず、なんで俺達が子供に戻っちまったんだ?」
不思議でしょうがない太一の声に皆頭を悩ませる。
まだ眠いのかこしこし、と目を閉じてさすってりしていたり
小さな欠伸を我慢し様としているモノもいたり・・・

正直体は正直なものでそういうのはしょうがないとは考えたいが
太一も眠いのを我慢している一人だ。
大観覧車前で状況説明(というか自分達が太一とかだというのを
大輔とかに話していたら時間が経ちすぎていた)
で時間が結構過ぎていた。

とりあえず目を覚まそうとヒカリと京はコンビニで買って来た
(というか京のコンビニから持ってきた)コーラとかでなんとか
眠気を覚まさせる。
「・・・たぶん、僕達はあの分らない光によって小さくなった
・・・つまり小学生に戻ってしまったというわけになりますね。」
光子郎の言葉になるほど、と思ったみつきはその一理が正しいのかも、
と思う。
そんな非現実的な事は「ありえない」だろうが
自分達は「ありえない」事を昔に体験していた――――
今更驚け、といってもあまり驚かないだろう。





ピピピ・・・・
ピピピピピピピ・・・・
みつきの瞳に映ったのは自分達のデジヴァイスが鳴り響いた。
それどころか太一や大輔、選ばれし子供に与えられたデジヴァイスが
鳴り響く、何か・・・来るのを予測したかのように。
「!なんだ!あれ!」
賢がふと窓を見た瞬間不思議な光を放ちながらマンションの上を駆け上がる
のを賢に皆の視線が窓に向かった。
ぴゅんっと色々な方向に向いて跳ねていて、まるで遊んでいるようにも見える。
するとその光は消え、真っ赤なサッカーボールの様に変わった瞬間
下へと落ちていった。
「・・・まさか・・・。」
さっきまで煩いくらいにD-3・デジヴァイスがに真っ赤に光っていたのが
さっきのモノが見えなくなった瞬間反応が止まった。


「・・・あれ・・・デジモン?」
みつきの言葉が紡がれた瞬間「その通りじゃ。」と誰かの声が聞こえた。
その声の主は全員わかっていたが何処から聞こえているのか
わからなくてあたりをうろうろとしてみるとみつきの部屋にある
予備のノートパソコンから聞こえていた。
みつきはパソコンを取りに行きリビングに皆がいる場所に
移動した後、電源をツッコミ起動させた。
その画面が開いた瞬間久々に会う人の顔がみれた。


ゲンナイ、老人のような姿をしている老人が画面の中で
話をかけてきた。
皆一面にその画面に眼をやる。
「ゲンナイ・・・さん。」
「久々に会ったな、選ばれし子供達」
穏やかな老人の声に安心が芽生えるがそんな暇もない。


「ゲンナイ。あれは一体・・・なんなんだ。」
太一の言葉にうーん・・・とめんどうな事になったといううねり声が
聞こえる。ゲンナイは眉間に皺を寄せつつも言葉を紡いだ。
「あれは、デジタルゲートからやってきたデジモンじゃ。」
「・・・・やっぱり。」
ヒカリも、みつきも、賢も、皆考えていた事が当たって色々と複雑だった。




ゲンナイはこうも説明した。
デジモンはそう攻撃的じゃないデジモンらしいということを。


「急で申し訳ないんじゃが、あのデジモンを8/1の夜までにデジタルワールドに
送ってくれないか?」
そして、そのデジモンを今日中に返さないと
デジタルゲートの歪みがさらに酷くなり暗黒の力を持ったデジモンが
大人しくなったがまた暴れだし人間界、現実世界に来てしまう―――――
あの1999年のお台場事件や2002年の世界のあちこちに出てきたデジモンが
また、現れるというのか。
あの頃を考えるとすくんでしまうようだ・・・。

「・・・わかったよ!それにそのデジモンを捕まえれば太一さんや
みつきさん達も戻るんだろう?」
大輔の声に「そうじゃ、」と肯定したゲンナイにふたたび明るさが増した大輔。
なにもしなきゃ、何もはじまらない。
太一の言った言葉がこんなにも大輔には浸透していた。
その大輔の笑顔に、賢もあぁ、と不敵な笑みを見せている。


「・・・でも、なんで僕たちは小学生になったんだろう。」
丈の言葉にゲンナイが答えた。
「あのデジモンの光は自分達が最も記憶に深い姿だったというのが
わかったんじゃろうな、あのデジモンの能力の一つでもある。」
あのデジモンが持っている力の一つに逆再生能力があるということ。
だから、太一達はその光に包まれた瞬間デジモンの能力に触れてしまったのだ。
自分達が記憶に深い姿を、見られてしまったのだ。
「よし、あのデジモンを捕まえましょう!」
「・・・だね。」
ミミの言葉にみつきも賛同した。
いや、全員・・・旧選ばれし子供達も今の選ばれし子供達も・・・。
するとピピピピピ、とまた鳴り出した。
・・・そのデジモンが近づいていく音だ。









「ドコ・・・ダ。」
赤いボールみたいな生き物は草むらにもぐりこむと
きょろっと瞳を動く人間に向けていた。
ピンとこないのかその生き物はうーん、と考え込みながら
違う雰囲気がしてどっかへと歩いていった。





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