02
会議場についたら珍しくひよ里とリサと白がいた。この三人も私と同様会議に出席しなくなってから久しい。

ひよ里はその辺の男より全然強いから全然びびらなくてもいいけれど、まぁなんとなくって感じで入ってる。最初は浦原隊長と馬が合ってなかったけど最近はそれなりに良好らしく技術開発局の曲者達の相手で手一杯で中々時間が取れず会議から足は遠のいた。
リサも強いし、なにより上官が京楽隊長だ。酒癖悪いし女好きでだらしないけどヤル時はヤル人だからリサも特に困ってたりしないけど、確か京楽隊長に一応女の子なんだからって勧められて入ったって言ってたな。最近は三席の子が会長してるからって全部こっちは任せて今は隊長の尻たきつけ係りに専念してるとかで、こちらも会議の足は遠のいた。
白には拳西というヒーローがついてるしね。拳西がいる限り白を泣かせる男なんて絶対現れないし、白も強いし。白はどちらかというと弱気女性を守るヒーローになりたくてここに入ったって言ってたっけ。入ったはいいもののヒーローみたいな活躍できるような仕事は何もないし、ひよ里もリサも来ないからって会議に来なくなった。結構自由だよね、そういうとこ。

そんな感じで各々理由はありつつも形だけ入ってた面子が、今日は珍しく一同に介している。

「七緒ーさっさと会議はじめぇや」
「せやせや、無理やり引きずってきよって…」
「二人ともガラわるーい」

リサはいつもの無表情だけど、ひよ里は明らかに機嫌が悪い。そんな二人を隣から茶化す白。うん、これいつも通りの風景だからそんなにビビらなくてもいいよ伊勢三席。
ゴホンと咳払いをして口を開く。

「今日集まってもらったのは他でもない、女性死神協会の予算不足についてです」
「相変わらず予算少ないんだー」
「いえ、今回は草鹿会長の暴飲暴食のせいで…」
「小さいんだからいっぱい食べていっぱい寝ないとねーやちるちゃん」
「ねー♪ちびぷるわかってるー♪」

ちびぷるって私の事である。チビでおっぱいがでかいせい、実に単純明快なあだ名である。でもぷるってあたりが可愛いから特に注意もせずにそのままにしておく。
でもぶっちゃけここって皆でお菓子食べてのんびり談笑してるイメージしかないのに、何でそんな会議に呼ばれたんだろう。頭に大きな疑問符を首を捻ると、また伊勢会長が咳払いをして先ほどより大きな声で今回の企画の発表をした。

「という事で、瀞霊廷で人気を誇る隊長格達の生写真を売って経費の足しにしようと思います!!」
「で、呼ばれたのがあんたたちって訳」
「お願いします!女性死神協会を助けると思って!!」

伊勢三席と乱菊ちゃんと雛森ちゃんに揃って頭を下げられる。
あーなるほどー理解した。



「七緒、隊長の写真ならあんたでも撮れるやろ」
「しかし京楽隊長が一番気を許してるのは矢胴丸副隊長なので」
「あんなおっさんの写真が欲しいとか、どうなっとんねん瀞霊廷」
「最近おじさん萌えっていうジャンルあるからねーほら、京楽隊長見るからに包容力ありそうだし」
「だらしないだけやろ」

そういってリサは溜息を吐きつつ明後日の方向に視線をさまよわせた。

「いやや」
「まーまー猿柿副隊長、そう言わずに」
「いやや」
「ねー乱菊ちゃん、浦原さんなら四楓院隊長でもいいんじゃないの?」
「だめよ!!だって、猿柿副隊長は部下でしょ?副隊長と話してる時のあの小さい子を見守るような優しい眼差しがたまんないんだって、女性死神協会のアンケート結果でわかったの」
「きっしょ!!!なんやそれ!!!そんなん撮るとか絶対いやや!!!!!!!」
「そこをなんとか」
「いやや!!!!喜助にそないな目で見られとったとか、それうちに対するセクハラやないか!!!!!!!ぜっっっったい嫌や!!!!!!!!!!!!!!」

そう言いながら必死に抵抗するひよ里も卯の花隊長の鶴の一声で意気消沈しながら机に顔を伏せた。

「ねーねーあたしはー?」
「もちろん六車隊長を!」
「でも拳西がにっこり笑った所なんて見たことないよー?」
「いえ、六車隊長はあの眉間の皺がいいんです…威厳たっぷりで、しかもほとばしる筋肉を惜しげもなく晒しているあの腕に抱かれたいと思っている女性は数知れず」
「へーわたしにはよくわかんないなー硬くて気持ちよさそうじゃないのに」

そう言いつつ白は手にもつ茶請けであるマシュマロをいじりながら「こっちの方がやわらかいのに」と呟いてそれを口に放り込んだ。

「ねー乱菊ちゃん」
「もちろん平子隊長を」
「別に雛森ちゃんでもいいんじゃ」
「いいえみょうじ副隊長!平子隊長はもう瀞霊廷の誰もが知っている通りみょうじ副隊長の恋人です!!そんなお方を今もこっそり慕う女性の数は未知数です!!ぶっちゃけ朽木隊長や市丸隊長とタメ張ってます」
「ぱっつん前髪と狐顔が人気なんて瀞霊廷どうかしてる…」
「そんなぱっつん前髪が彼氏なあんたはどうなの」
「私は真子の顔だけで好きになったんじゃないもーん」
「いいですかみょうじ副隊長!!そんな人のモノになってしまわれた平子隊長の恋人だけに向ける顔が欲しいんです!我々が求めているのは副隊長にしか見せない平子隊長の顔なんです!!そんな隊長の写真を撮れるのは瀞霊廷を、いえ、尸魂界中を探してもみょうじ副隊長しかいないんです!私じゃダメなんです!!」
「私にしか見せない真子の顔なんてあったかなーむずかしいなー」

そんな事言われても、と若干引きながらも難しいお題に今までの真子の顔をぐるぐると思い浮かべる。


そんな感じで必死な女性死神協会の面々に説得されて無理やりカメラを持たされた。
無理やりカメラを持たされた四人の背中はいつもより小さかったと、虎鉄副隊長は後日語ってくれた。

つづく。


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bkm
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