06
ちょっと長めの昼休憩を終えて七番隊舎に戻ったらお怒りのラブ隊長に出迎えられました。
あたまにでっかい拳骨落とされて引きずられるように溜まっている書類整理を命じられました。命じられるのはいいけれど私にとってこれ100年前のものだから元々書類整理も苦手なのにさらに状況も理解できてないから最悪の状況なんですけど。小学生が因数分解やれって言われてるようなものなんだけど。そんなの無理だよー隊長さーん。
そんな訳でもう丸投げにしようと思う。
だって先遣隊が行ったって事はもうすぐじゃないか。
次の一日の夜。あと、5日しかない。

成功するかどうかもわからない、もしかしたら失敗するかもしれない。
藍染は捕えられるだろうか。
私たちは処分されるだろうか。

もし、真子たちが虚化が失敗して虚になったとき、私はちゃんと殺せるだろうか。

大丈夫だとひたすら言い聞かせる。だって真子も拳西もローズもラブもみんな隊長でリサもひよ里も白も副隊長でハッチは副鬼道長だもん。私より全然強いし、いざとなったら浦原さんもテッサイさんもついててくれる。
忌まわしい夜がもうすぐやってくる。それと同じように私の心もだんだん曇っていく。

「おいなまえ」
「…えっ、なに?」
「大丈夫か?そんな霊圧揺らしてどうしたんだ」
顔をあげるとラブが心配そうに眉を下げて私を見ていた。目はグラサンのせいで見えないけれど。
「大丈夫、なんでもないの!ちょっと心配事があってさ、でも全然心配することじゃないのにねー」
「そうか?なんかあったら言えよ、力になるから」
「マジか!じゃあこの書類の山がなかなか減らなくて困ってたんだ助けて」
「それはダメだ。ちゃんとやれ」
「けちー」

大丈夫。この会話をきっと来週も来月も来年も100年以上先だってできる。
そのために浦原隊長に頼みごともしたし薬ももらったから、大丈夫だよきっと。

虚化ってどうやったっけ。自分たちの虚化を習得した時の記憶はもうほとんどぼんやり程度にしか覚えてない。黒崎一護は結構な速さで習得したから、あれは正攻法ではない。あの男は化け物並みの成長スピードだから私たちと同じにしてはいけないね。
思い出せ。記憶はちゃんとあるはずだ、それを思い出せないだけだ。忘れた訳では決してないのだから、きっとみんなが虚化しても助けてやれる。
とりあえず浦原隊長には強制的に巻き込まれてもらおう。スーパーひよ里ウォーカーも作ってもらわないとダメだし。虚化の持続時間伸ばすだめに他の隊長格にも協力してもらえればいいのだけれど、ダメなら私一人でもなんとかしてみせる。

仕事するふりをして虚化の仕方を一生懸命思い出しては紙に書いていく。私が仕事していないのなんてお見通しのくせに何にも言わないラブ隊長はやっぱり優しい。
実験体にもさせない。処分も追放も絶対阻止してやる。


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bkm
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