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あのあとすぐに五番隊舎に戻ったら七番隊舎にあるはずの私の私物とかが全部こっちに移されていた。
下着とか入ってたから思いっきり真子が変態的な目で私の荷物まとめたのかと聞いたらものすっごいバカにした顔で「リサとひよ里と白がやったんやボケ」って溜息と共に言われた。
虚化がちゃんとできるか中央と総隊長の立ち合いのもと審査してる時全員終わった後に総隊長の口から私を副隊長に打診するって話が出てたらしい。本来ならちゃんと試験とか色々やることあるけど総隊長自らの推薦と、八人もそれに異論なしって事と、ほかの隊長達も私の今回の働きを高く評価してる件もあって、ほぼ満場一致だったらしい。つまり私は今日一番隊舎に行こうと行くまいと最初から副隊長になることが決定していたらしいので、今日サボっても明日呼び出しされて副隊長になっていたということらしい。しかもサボったらお説教付だったかもしれないと。
選択の許可が与えられないって悲しい。まさにブラック。死神だけに。

「なまえいくでー」
「えっ、どこに!私引っ越しの片づけで忙しい!!」
「んなもん後でええわ。ほら早うせー」
「ふお!引っ張るなハゲ!!肌蹴るじゃん変態真子!!!」
「やかましいのぉ…隊長に対する言葉づかいまた仕込まなあかんなぁ」
「ちょっと本当にエロい感じで言うのやめてよね!!卯の花隊長に真子のハゲにセクハラされたって言いつけるぞ!!」
「…それはやめぇや、シャレにならんやろ」

卯の花隊長効果絶大だ。さすが護廷十三隊の古参隊長だ。頼りになる。
ぎゃーぎゃー言ってる間に目的地についたらしい。
そこは紛れもなく五番隊舎で皆が仕事してる職場だった。ああそっか、私副隊長だから紹介されるのか、なんかやだなぁ…三番隊ならともかく五番隊って元藍染の部下じゃん私あいつ捕まえた張本人だから藍染慕ってたやつからしたら私嫌われるんじゃないの。
そんな事ぐるぐる考えてると突然私のおでこにデコピンをかまされる。

「アホ」
「うぇ…なにさぁ」
「どうせ下らん事考えとんのやろなー思て」
「くだらなくないよ!私五番隊で嫌われるんじゃないかとか、藍染の糞野郎慕ってたやつからしたら私の事許せないかもだし、そんな中に私はいっても馴染めないかもだし…嫌われ小説みたいな感じになったらどうすんの」
「やっぱくだらん事やないか」
「…だってさぁ」

「お前は仮にも五番隊隊長の俺だけやなくてローズとか拳西とかほかの隊長格も助けた英雄やぞ。しかも副隊長いじめるとかふつうないやろ」
「…私英雄なの?」
「こんなんが英雄なんて瀞霊廷もおしまいやけどなぁ」

ぐりぐりと頭ぐしゃぐしゃに撫でられる。
そこは仮にも男なんだからいじめられたら俺が守ってやる的な事言わないのが真子らしいけど、まぁいじめられたらラブちゃんに助け求めるけど。英雄とかそういう恥ずかしい感じの称号とかはいらないけど。
でも多分大丈夫かな。だって五番隊には真子もいるし、なんだかんだで頼りになるし。

「よし、私がんばるぞ!」
「そーそーその意気や。んじゃ入るで」



戸をあけると勢揃いした五番隊の面々が集まっていた。
扉の外でぎゃーぎゃーしてたのもバッチリ聞かれたとおもうと恥ずかしくなってきて思わず真子の後ろに隠れる。
真子が隊員たちに一年間留守の間ご苦労様でした的なねぎらいをかけると隊員達が安堵の表情を漏らした。

「みょうじ副隊長さん」
「あ!市丸少年!」
「こらチビギン俺が話す前に何勝手に挨拶してんねん」
「ボク隊長さんが帰ってきた事よりみょうじ副隊長が来てくれた事の方が嬉しいんやもん」
「…言うてくれるやんけ」

今にも唾吐き出しそうな不機嫌オーラ丸出しな真子に物怖じせずに返す市丸少年。さすが未来の隊長度胸あるわぁ。

「ちゃんと笑えるようになった?」
「…おおきにな、みょうじ副隊長」
「やだなーなまえでいいよう、市丸少年」
「せやったらボクの事も名前で呼んでや」
「いいぞーチビギンちゃん」
「…まぁええわ」

「おいこら勝手に和むな」

脳天に拳骨を落とされて思わずにらむ。不機嫌丸出しな真子が顎で隊員達の方示したから顔をあげると皆一様にぽかーんとした顔していた。
うわぁ、これまた恥ずかしい。やっぱり私副隊長とか向いてないかもしれんぞ。

「挨拶せぇ」
「う…えーっと本日付で副隊長になりましたみょうじなまえです。よろしくお願いします?」
「ほかになんか言う事ないんかい」
「え…いじめないでください!!」
「アホやけど皆知ってる通り実力はあるから仲良うしたってやー」

そんなこんなで五番隊副隊長になりました。
これから私の知らない未来が待ち構えていますが、多分なんとかなると思います。
たとえ何かあっても隣にいる真子がなんとかしてくれると思うので!

おしまい!


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bkm
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