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「三番隊隊長、鳳橋楼十郎!!」
「はい」
「五番隊隊長、平子真子!!」
「はい」
「七番隊隊長、相川羅武!!」
「はい」
「八番隊副隊長、矢胴丸リサ!!」
「はい」
「九番隊隊長、六車拳西!!」
「はい」
「九番隊副隊長、久南白!!」
「はぁい!」
「十二番隊副隊長、猿柿ひよ里!!」
「はい」
「そして鬼道衆副鬼道長、有昭田鉢玄!!」
「はい」

「本日をもって以上八名の復隊を認める!!本日よりまた通常の業務に戻り護廷十三隊の歴史に恥じぬよう鍛錬を欠かさず隊士達のよき見本となり、日々励むがよい!!!」
「はい」

仰々しい扉の向こうで、総隊長の声がはっきりと聞こえた。
よかった。やっと全部終わった。

涙とか安心とかいろんなものが全部こみあげてきて、この一年だけじゃなくて100年前からずっとずっと見てきた夢が今目の前にある。100年分のものが一気に込み上げてきて瞳に涙が溜まってきた。やだなー泣きたくないなー泣いたら絶対からかわれるに決まってる、そんなのムカつくから絶対やだー。
私がなんでのぞきでもないのに一番隊の隊舎に呼べれたかっていうと理由は単純明快、私が個人的に呼ばれたって事。
いったい何の用だろう。わたしも頑張ったから金一封とかかなーそしたら有給とって現世に旅行行きたい。京都とか行きたいな、大好きな和菓子屋さんのお菓子が久しぶりに食べたい。自分へのご褒美的な感じでちょっと奮発してさ、前より今は100年前だけど100年とか余裕で創業してるからきっとあるはず。私頑張ったからご褒美欲しい、よしこの面倒事が終わったらラブ隊長に相談だ。有給は無理でもおこづかいくらいはくれるかな、そしたら瀞霊廷の美味しいって噂のお蕎麦屋さんに行こうかな。帰りにおまんじゅうたらふく食べたりしたいなー。

「七番隊みょうじなまえ、入れ」
「……おお、…失礼しまーす?」

ぼんやりと考え事ばっかりしてたら突然目の前の扉が勝手に開いた。いやでも、こんだけ厳つくて威圧感ガンガン放ってくるものがひとりでに開いたら考え事してなくてもびっくりすると思うけどね。
隊首会って前回リサちゃんと一緒に覗き見っていうか盗み聞きをしたのが最初だったから隊首会が開かれてるところに私みたいな一般隊士が来れる訳もなく思わぬ初体験に正直びびりまくっていたりする。
隊首会の部屋って以外と広いくせに殺風景でしかもみんな立ちっぱなしなんだね。
真ん中に総隊長がいて両端に格隊の隊長さんがずらりと並んでいる。今日は特別ってことで隊長の後ろには副隊長さんも控えてて、その中にはもちろん見知った顔もいる。というか半分知ってるって私本当に本当に一般隊士のくせにすごい。人脈の広がり方がすごい。

「此度の働き、大義であった」
「あーえっと?それほどでも?」
「こらなまえ!!総隊長の前だぞ!!!」
「構わぬ、お主の働きにはそれほどの価値があるということじゃ。今は目を瞑るとしよう」
「あ、はい、ありがとうございます?」

今私がどういう状況におかれているのかまったく理解できないまま言葉を発していたらどうやら気遣いが足りなかったようでラブ隊長に怒られた。
でもなんか今は怒らないらしい。よかった。

「えっと…わたし、なんで呼ばれたんでしょう?」
「なんやお前、気づいてへんのか」
「ん――――?金一封くれるとか?有給くれるとか?」
「アホか…んな訳あらへんやろ。俺の後ろ見てみぃ」

と言われても真子の後ろっってなに。まさか背後霊とかいるっていうのか、死神も幽霊じゃんね。
まったく理解できないって顔してたのか真子が大きなため息ついた。なんかバカにされてるみたいで腹立つ。

「藍染惣右介の処刑により空白になった五番隊副隊長の件についてじゃ」
「えーまた私根ほり葉ほり聞かれるんですかーもう喋ったよー全部しゃべったよー」
「せやからそんなんちゃうわ!もうお前黙って聞いとれ!!」
「へーい」
「ほんなら総隊長の口からお願いしますわ」

「ゴホンッ!!よいか、七名の隊長格が復隊するに当たって新たに空席となっている五番隊副隊長を選出する必要がある。本来ならば副隊長は隊首会にて選出し、副隊長試験を終えその能力実力人格共に認められた者に副隊長の資格を与える者じゃが、今回は特例とし五番隊副隊長を選出しようと思ってのう」
「はぁ…嫌な予感しかしないですけどー」



「この儂一番隊隊長及び護廷十三隊総隊長山本元柳斎重國の権限を持ってみょうじなまえ、お主を五番隊副隊長に任命するものとする!!」


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