ハートビートは夢心地





アサノユズさまへ
2万フリリク企画
ユウジの家で初キス(ユウジから)されて、嫌じゃないけどついユウジを張り倒してしまう財前









『ハートビートは夢心地』



バッチーン。
「あ…」
「………光、お前…」


ユウジ先輩をおもいっきし殴ってまった。今の絶対痛い。
だって…ユウジ先輩が、キスしてきたんやもん。

一緒に飯食ってぐだぐだして、うち来るかー?なんて先輩が言い出して。確かに俺たちは恋人同士やけど、そりゃもう俺やって内心は心臓ばっくばくやったけど、ユウジ先輩は何でもないように言うもんやから。あーなんも考えとらんのやろな、とか思っとったのに。


やって初ちゅーやで?俺昼にお好み焼き食ったし。ユウジ先輩なんて餃子食っとったやんけ。そんで初ちゅーやで。って俺も案外女々しいねんな。


「ごっつ痛いねんけど」
「す、みません…」


流石に罪悪感があって、俺はぐっと目を固く閉じて俯いた。ユウジ先輩怒ると怖いねんもん。



嫌なわけや、ない。俺は本間にユウジ先輩のことが大好きやから。俺はユウジ先輩みたいにガチなホモやないから、女と付き合っとったこともある。ユウジ先輩のくちびるは女みたいにやわこくなんかなかったけど、人生で一番心臓速く動いとるんちゃうかってくらいどきどきした。


俺はこんな性格やし、ユウジ先輩は今だに小春小春で、俺はむしろユウジ先輩に嫌われとるやないかって思っとった。

俺に負けへんくらい素直やないユウジ先輩は、ふたりっきりの部室で背を向けたまま、謙也さんの声真似して「そういや光、ユウジがお前のこと好きや言うとったで」なんて言うて。せやから「そうですか。なら俺もずっと好きでしたよって伝えといてください」なんて返事したっけ。その日の夜は嬉しすぎて眠れんかった。



付き合っとる言うても男同士やしやっぱり友達感覚で、せやから手すら繋いだこと無くて…ってどんだけウブやねん俺ら。







「ごめん」




ユウジ先輩が謝ってくるもんやから固く閉じとった目ぇ開けたら火ぃ出そうなくらい顔赤くしたユウジ先輩と目合って。途端にユウジ先輩はヘアバンで自分の顔隠した。


「なんで、謝るんすか」
「お前が嫌がるからやろ」
「…嫌や、なかったです。ちょぉびっくりしただけっすわ」
「お前はびっくりしただけで人張っ倒すんか」
「なぁ、ユウジ先輩。もっかいキスしたい」
「もういやや。どうせお前嫌がるもん」
「ほな、俺からしますね」




ユウジ先輩のくちびるはやっぱりやわこくなんかなかったけどつるつる。あーあかん。めっちゃ幸せや。




「……お前ばっか余裕で、なんやむかつく」
「俺やって全然余裕ないっすわ」


ほら、てばくばく煩い心臓の音聞かせたろ思って抱き着いたら、俺のよりももっと煩いユウジ先輩のそれに気がついてしまって。


「ユウジ先輩、かわい」
「阿保言うな」
「ふふ」
「ひかる、」
「なんですか」
「俺、お前のことめっちゃ好き」



そのあとはあんたさっきまでの純情な感じどこ行ったんやってくらいくちびる貪られて、やっと離れたときは酸欠で頭がくらくらして、全体重ユウジ先輩に預けて息整えることくらいしか出来んかった。

そのあとも抱きしめられながら耳とか頬とかキスされまくって。あかん、なんやスイッチ入れてまったな。



それでも幸せには変わりない。ユウジ先輩が、初めてユウジ先輩として言ってくれた「好き」で俺の胸はいっぱいで。


幸せが水になって目から溢れてまったら困るから、そっと目を閉じて先輩に身を委ねた。







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めっっちゃくちゃ素敵なリクをいただけて…!久々のユウ光、楽しみながら書けましたっ^^アサノユズさま、本当にありがとうございました!


2009.11.8 アリア


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