マイ キャッツ




ネコ耳付きのフードの服+ちょっぴりゴスロリでセクシーな服の光(にょた)とその格好にドキドキする謙也の甘々なお話
涼狐さまリク









「ひか、こっち向いて?」
「いやや、恥ずかしい」
「恥ずかしいことないで、むっちゃ可愛い。なぁ、そろそろ謙也さんの方来てくれへんかな」
「………。」



俺の可愛い可愛い彼女の光。俺の部屋でふたりっきり。光の服装は、ピンクと黒のボーダーのパーカー、ふりっふりのフリルがついたボリュームのあるミニスカート、太ももがまぶしいニーハイソックス。俺の柔らかい言葉に少し安心してこっちを向いた光のすきを突いて、パーカーのフードをがばっと光の頭にかぶせた。現れたのは…猫耳。
これで完成や…!






話は数日前にさかのぼる。
光がある男友達に、恋愛の相談を聞いてほしい、と言われたそうだ。光はちょくちょくその友達から話を聞いてあげとって、あまりにも思いつめたような表情をしていた彼を邪険にすることもできず、休日俺に内緒で二人で出掛けた。まぁベタな展開やけど、その男友達の好きな女の子っていうのが光やったっちゅー展開で。ベタついでで悪いけど、そこを俺が見てしまった、と。



光はちゃんと告白を断った。光が男子から人気があるのも知っとった。せやけどいざ目の当たりにしてみるとなかなかきついモンがあって。


俺は光よりも早く卒業するし、めちゃくちゃイケメンなわけでもないし。正直、俺なんかに光みたいな女の子はもったいないってずっと思っとる。そんなわけで、実際光に明らかに好意を持っている男子と、一緒にいる光の姿を見てしまったらそれはまー悲しくて寂しくてちょこっとだけ残っていた男のプライドっちゅーやつも吹き飛んでしまうくらいにはへこんだ。



そんな様子を見かねた共通の友人である白石(見た目は女王様中身は痴女)が、「今回は光が悪い!反省の意を込めて謙也のためにこれを着るべきや!」とかなんとか言って服が入った紙袋を光に押し付けた。今光が着てる服装がそれや。さすが痴女、絶妙なチョイス!



猫耳光可愛いな〜たまらんなぁ〜なんてにやにやしてたら、キッと睨まれた。あー叩かれるんやないこれ・とか思ってたら光は予想の斜め上、俺の膝の上によじ登ってきた。え、何この大サービス。



「ひ、光ちゃん…ちょ、あかん、かわいすぎんねんけど!」
「うちやって、謙也さんが嬉しいこと、してあげたいんです。悲しいことは、したくないんです。」
「光?」



光は俺の首元に腕をまわして、ぽつりぽつりと話してくれた。



「うち、そんなに謙也さんが傷つくって思わんくって。うちはただの友達やって思っとった子ぉやし、謙也さんは優しいから別に怒ったりせぇへんやろなって。せやけど、謙也さん怒ったりせぇへんかったけど、代わりに傷つけてもうたやんか。うち、白石先輩に『謙也の気持ちも少し考えてやって』って言われて、初めて自分が馬鹿やったことに気付いたん。もし謙也さんが女友達と二人で出掛けたりしてたら、うちはどうなんやろって。多分、めっちゃショックやねん。んで、うちは謙也さんみたいに性格よぉないから、きっと謙也さんに怒ると思うねん。」
「俺は怒ってくれてええんやけど」
「それやと謙也さんがドMっちゅー話になってくるやん」
「いや、ちゃうで」



俺の首に巻きついた光の腕を優しくほどいて、視線を合わせる。光は無愛想やって思われることが多いけど、表情は分かりやすい。今のこの顔は、『謙也さんに素直に謝るつもりやったのに結局上手く言えへんかった。』って顔。



「光が隠れてこっそり傷ついてるよりも、ちゃんと叱ってくれた方がええなぁってこと。そしたら俺も次から光のこと傷つけへんように出来るし、光が俺の知らんところで泣くのいややし」
「…そんなん、うちやってやもん。謙也さんが裏で嫌な思いするならちゃんと怒ってほしい」
「え、いやや!俺光のこと怒りたくない!」





光の手を引きぎゅうっと強く抱きしめる。手先は冷たいけど、こうやって抱きしめるとあったかい。



「もう許したもん、俺。俺のこと傷つけてしもたーって、光のが傷ついとるやん。そんな必要ないで、ホンマ。光が俺のために一生懸命なのも、俺のこと大好きなのも、分かってるから。次から気をつけてほしいけど…本間にごめんって思ってるんやったら、今俺に思いっきり甘えてほしい。あかんかな?」



光は少し黙った後、俺の胸に顔をぐりぐりってすりよせてきた。そのあと俺のほっぺやらおでこやらに散々ちゅーして、頬ずりして、最後にどでかい爆弾ぶっぱなしたあとくちびるに濃ゆーいやつ。なんなんこいつ、アホ、好き。



「謙也さんのバカ。大バカ。あんたのせいやで。うちが一人で生きていかれへんくなったの、謙也さんのこと好きで好きで好きでしょうがなくなってしもたからやで。好きや。ほんまに好き。大好き。責任取れ。」









美人で可愛くて賢くて優しくて細くて照れ屋でえろい、俺のことを大好きな猫さんに夢中な日々は、これからも永遠に続いてゆくのやった。
そっちこそ、責任取れ!







***
あまーーーーーーい!
もう一生勝手にやっててくださいにゃーって感じですね!!
涼狐さま、リクエストありがとうございました!





- 70 -


[*前] | [次#]
ページ:




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -