永久に好いていく



ユウ光で甘デレ
まなみさまリク









〜前回までのあらすじ〜
部活が終わり久しぶりに謙也の家に行ってゲームをすることになった俺。携帯を忘れたことに気がついて部室に戻ると生意気な後輩兼ツンデレな恋人、財前光が泣いていた!はたして財前の涙の理由とは?





ってなんやねんそれ。ってな。


「おい財前、どないしたん。なんで泣いとんねん。また誰かにいじめられたん?」


涙でびしょびしょの頬をぷくっと膨らませて首を左右に振るこいつ。くそ、うざい。でもそれ以上にめっちゃかわええ。惚れた弱みっちゅーやつやな。髪の毛をわしゃわしゃっと撫でてみる。ふたりのときにすると嫌がらへんのよなぁ、こいつ。本間可愛い。ほっぺたかぶりつきたくなってきた。



「なにがあったん。ちゃんと言ってくれへんと帰ってまうで。」
「い、や…っ、おって、よぉ…!」
「ならはっきり言わなあかん。教えて」
「っ…」
「なー財前」
「やって、馬鹿にするやろ」
「あほ、せーへんわ」
「………」
「な、お願い。話して」
「………」
「光」
「…そんなん、ずるい。」
「うん、ずるくてええよ。やから話して、光。」


二人になったときだけ俺はこいつを名前で呼ぶ。俺は別に普段から光て呼びたいんやけど、こいつ恥ずかしいねんて。せやからこそ、光って呼ぶと大体折れてくれるんや。光はさっきよりは少し落ち着いたみたいで、涙をぬぐってゆっくり話し始めた。なんや、赤い目にきゅんってきた。俺やばいやつみたいやんけ。



「…ゆうじさん、今日俺のクラスの女子に告られとったやろ。」
「あー…せやっけ。お前のクラスかあの子。」
「うん」
「言わんくってもわかるやろけど断ったで」
「うん、知っとる。そいつ教室で泣いとったもん。」



せっかく落ち着いて話し始めたと思ったのに、光の目から再び涙がこぼれ始めた。



「一氏先輩、かっこよかった。そう言って泣いとったんすわ。振られたけど、一氏先輩のこと好きになってよかった、って。俺は、振られたけどよかった、だなんて思えへん。あの子らみたいに綺麗やないねん。」
「そんなことないやん」
「一氏先輩は今はテニスが恋人やねんて。そう言うてました。その時思いました。もしユウジさんが『財前と付き合っとるから』って言ったらその子らどんな顔したんかなって。かっこいいとか素敵とか、散々言うとっても『ほもなんてありえへん』って言ってユウジさんのこと悪く言うんかなって。」
「ひかる…」
「俺は男のくせにユウジさんのこと大好きやけど、それが正しいことなのか分からんようになってしもた。恋愛なんて正しい正しくないでするもんとちゃう。それも分かっとる。やけど、毎晩寝る前考えてしまうんです。ユウジ先輩の未来を、」




あぁ、そうやった。財前光は天才なんて言われているけど本当は阿呆で、どうしょうもないくらい阿呆で、阿呆で阿呆で阿呆で、めちゃくちゃ俺のことが好きで、だれよりも優しいやつやった。
俺は光をおもいっきり抱きしめてやる。潰れるんちゃうかってくらい強く。



「…ユウジさん、苦しい」
「せやろ。最近筋トレはまっとんねん。脱ぐとすごいからな俺は。お前みたいなもやしっ子と一緒にされたら困るわ。」
「なんやねんそれ…」
「やから泣くなら俺の逞しい胸で泣け」



ぐずぐず鼻を鳴らしながら「ユウジさん、好きぃ…っ」やなんて言われて、離してやれるはずがない。


なぁ光。俺もしょっちゅうお前の未来を考えてる。せやけど俺はお前みたいに優しくないから、お前と別々の未来を想像出来たことがない。どんなに後ろ指さされたって、馬鹿にされたって、世間に受け入れてもらえなくたって、俺はお前と一緒にいる。その代わり、お前が辛い思いをするようなことがあったら今みたいに目いっぱいの力で抱きしめて、俺しか見えないようにしてやる。



「光、」
「………」
「お前が思っとる以上に、俺はお前のこと大好きやからな。ずっとずーっと、大好きやからな。」



俺こんなキャラちゃうんやけどなぁ。せやけど今日は特別。光が頑張って気持ちを伝えてくれた日やから。
綻んだ光の頬を撫でて、おもいっきりちゅーしてやった。すっごいやつ。はは。



光の泣き顔を見て俺もちょっぴり泣きたくなったことだけは、やっぱり言わないでおこう。









***

私はユウジ先輩に本当に夢を見ています。ちょうかっこいいんだ一氏は!!
ユウジ隠れマッチョ説を強く推したい(笑)
まなみさま、リクエストありがとうございました!





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