A garden shelf





苑架ちゃんへ
2万フリリク企画
謙にょた光。付き合ってる設定で、切ない→甘い








『A garden shelf』



ぜんざいやなくて苺のショートケーキとかが好きやったらよかったんかな。カーマインやなくてピンクとかが好きやったらよかったんかな。こんなガリガリやなくてもっと巨乳でふわふわしとったらよかったんかな。

(つまり、もっと女の子らしかったらよかったんかな。)

そうすれば、謙也くんは手ぇ出してくれるんかな。



最近のうちの悩みは、大好きな謙也くんが手ぇ出してくれんこと。キスは一応した。触れるか触れんかくらいのやつ。それも0.5秒くらいのん。

くらら先輩に相談したら「ほなこれあげるわ、うちのお古で悪いねんけど」って香水くれた。赤っぽい色のハートの容器で、すごく甘い香りがする。さっそくうちはそれを使った。
まぁ、使ったところで謙也くんにはなんの効果も無かったけどな。


謙也くんを好きになって、うちは変わった。昔っから仲が良いユウちゃんに化粧も教えてもろた。くらら先輩の香水もちゃんと使って香りも変えた。変わらんのは謙也くんの方ちゃう?本間、腹立つ。

嘘。本間は腹立つとかやなくて不安なんや。付き合ってもうちだけが謙也くんを好きな気がして。


「謙也くん」
「おー光、屋上行こか」

今日もうちは二人分のお弁当を持ってきた。ほら、うち変わったやろ。

屋上の一角に座ると、謙也くんは自分のカーディガンをうちの膝にかけた。優しい。こーゆうとこ好き。


今日も謙也くんはうちが作ったお弁当を美味い美味い言うて食べてくれて、ちょぉ飲み物買うてきたるな、って立ち上がった。


一人になって目に入るのは、うちのより断絶大きい謙也くんのカーディガン。そっと口許に持っていき、すぅーっと吸い込んでみる。あぁ、これだけで酔えそう。
(謙也くんのにおいで、いっぱい。)

うっとりしとったら急にガコッてでかい音して、パッて顔あげたら真っ赤になった謙也くんがあわあわしとった。(今の音は缶ジュース落とした音やったんか)

やば、本人いないとこで服のにおい嗅いどるなんてうち変態やん!!顔が熱くなる。

すると謙也くんは「反則やろ…」って言って。ぎゅうぅーってうちを抱きしめてきた。


「なぁ光、なんでお前そんなええにおいすんの。」
「え」
「まつげ長すぎやろ、なんでそんなばさばさしよるん」
「……謙也さん?」
「手もちいちゃいし…なんちゅーか、お前、可愛すぎんねん」


光のことは大事にしたいんやから、あんまり煽らんといて、って。壁に押し付けられて大人のちゅーってやつ。頭パンクしそう。



「謙也さん、今日うち来ませんか?なんと調度ええことに誰もおらんのやけど」
「お前…聞いとった?煽るなっちゅーの」
「何されてもええから煽っとんねん。そろそろ気づいてくださいよ」
「は、」
「うちの部屋、うちのにおいでいっぱいですよ?」
「……行く。」


女の子らしくなんかないけど、謙也さんにとってはうちだってどこまでも女の子で。ああ、うちもちゃんと愛されていたんだ。どうして気付かんかったんやろ、こんなにも大切に愛でられていたのに。


ねえさん。ねえさんが買ってきてくれた柄にもなく可愛いらしいベットカバー、無駄にならずに済みそうです。




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苑架さまからいただいたリクです!あんま切なくならなかった…すみません!!
優しくて大好きな苑架さま☆これからも末永くよろしくです!リクありがとうございました!


2009.11.1 アリア


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