Trick,and,Treat,and,xxx





橙花さまへ
2万フリリク企画
ユウ光か謙光でハロウィン系
(今回は謙光で書かせていただきました)







『Trick,and,Treat,and,xxx』



10月31日。ハロウィンなんて洒落た行事。極度の甘党である恋人は食いつくかなーとは思っとったけど。

金ちゃんみたいに「白石ぃ!とりっくおあとりーとやでぇ!光から教えてもろてん!」とか言うてくれるんなら可愛い(白石はごっつにやにやしながら菓子与えとった)。
当の光はと言うと「謙也さんハロウィンって知っとりますよね。そんなおめでたい頭しとるんやからこんなめでたい行事祝わへんわけないですよね」って。いろいろと突っ込み所有りすぎやろ。金ちゃんに教えるくらいなら自分も言ってくれればええのに(光に可愛く「トリックオアトリート」言うて欲しかった)。


そんなわけで今、俺らは甘味処に来とる。なんやかんや俺は光に甘いなー思うわ。

それでも幸せそうな顔してちっちゃい口を目一杯開けて善哉頬張る光を見とるとそんなんどーでもよくなる。はぁ、本間に可愛えわ。










「ハロウィンって謙虚な行事やと思いません?」

善哉を食って満足したらしい光は、いつもの表情でそう言った。え、ごめんやけど理解出来へん。やってハロウィンて「菓子寄越さんといたずらするでー!」て言うて街練り歩くんやで?俺としたら中々傲慢な行事やと思うんやけど。


「俺は別にそうは思わへんけど、なんで?」
「やって、トリックオアトリートですよ。いたずらか菓子かどっちか選ばなあかんのやで。俺は謙也さんから菓子欲しいし、いたずらもしたい」
「お前なぁ…」
「謙也さん知っとるでしょう。俺、相当我が儘ですから。自覚あるし」


いやいや、お前の我が儘とか可愛えのばっかやしな。それにしても光って時々めっちゃどうでもええことめっちゃ真剣に考えるよな。


「あ、どうせやったらトリックオアトリートやなくて、トリックアンドトリートにすればええと思いません?」
ほら来たー。

「はいはい、さよーでございますねー」
「馬鹿にしとんのですか」
あ、今のむぅっとしとる顔可愛い。


「てかアンド使うの有りやったら、俺もっと必要なもんありますわ」
「んー」
「トリックアンドトリートアンドテニスアンドiPodアンド…」


こいつ案外阿保や。俺に言われたないかもしれへんけどやっぱ阿保や。いっぱいいっぱい好きなもの並べる姿は珍しく年相応に見える。


「善哉アンドピアスアンドコンポアンドワックスアンド…」
「えらい多いな…」
「チロルアンドPCアンドマックアンド…」
「まだあるんかいな」
「携帯アンドアイスアンド、謙也さん」
「は、」


「……アンド、白石部長」
光はにやり、といやらしく笑う(金太郎アンド師範アンド…てどんどんテニス部の奴らの名前を出しつつ)。くそ、またやられた。一瞬めっちゃ嬉しかったんに。悔しい。




「謙也さん」
「……なん?」
「やから、謙也さん」
「は?」
「実際トリックとかトリートとかもう要らんっすわ。謙也さんおれば俺は十分」
「……!」
「ま、分かりにくいかもしれんけど、テニス部の人らのことは大事に思っとるんですけどね。謙也さんには敵わんっすわ」


うわ…!善哉食べたか知らんけどめっちゃ素直!可愛え!ありがとうハロウィン!ありがとうカボチャの神様!あれ、なんか違う?まぁええわ!


「ひかるぅー今から俺んち来ん?」
「別にええですけど」
「…甘いもんも食ったことやし……光に性的ないたずらしたい」
「ふは、謙也さんも案外我が儘っすねぇ」




俺が欲しいのは、トリックやトリートやなくて、甘い甘い君。
我が儘な俺は我慢が出来ないものですから、美味しく美味しくいただいちゃいます。







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橙花さまからリクしていただいたハロウィンネタです!あ、あんまりハロウィンぽくならなかった…すみません;;
季節物を書けて楽しかったです!!橙花さま、リクありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!!


2009.10.31 アリア

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