Star wants...





7万打フリリク企画
謙にょた光。なかなかなびかないツンデレにょた光ちゃんを、ヘタレながらも一生懸命頑張ってあの手この手でアプローチして口説き落とし、見事ラブラブになる謙也さん
こまちさま
(光、白石がにょたです)












俺が好きになった女テニの財前は、ツンツンした女の子やった。ふとした瞬間に見かけたかわええ笑顔に一目惚れしてから俺は頑張ってアプローチを続けた。白石が、財前が好きやと言っとった善哉で餌付けしてみたり、頻繁に話しかけてみたりした。


最初は財前はツンツンしとったけど、少しずつ俺に心を開いてくれた。悪態つきながらも柔らかい笑顔で俺と話してくれるようになって。
俺は気付いたことがあった。財前は、キツめ態度をとることによって弱い自分を守っとったんや。ホンマは、ホンマに、優しい子。


「財前、前髪いつもと違う。かわええな。」
「…忍足先輩キモい!、」

ほら、照れた顔も、こんなにかわええ。












ある日、部活が始まる前に女の子の声が部室の裏から聞こえた。


「どないしたん?」
「け、謙也せんぱぁあいっ!!」


そこにいたのは、俺の大好きな財前と、女テニの子。すまん、名前知らん。財前は眉間に皺をよせて、もう一人の子は泣いとる。


名前の分からん子ぉは俺の腕を掴んでさっと背中に隠れた。財前はというと、その子をすごい目つきで睨んどる。


「財前、どないしたん?」
「忍足先輩には関係ないでしょう」
「せやかて、こんな状況ほっとかれへんわ」


俺の後ろに隠れとる女の子は、涙声で「財前さん、怖い…」って言うた。


「…あんた、賢いなぁ。女の弱さは強さやって、よぉ言うもんなぁ。泣けばなんでも解決する思うとんのやろ。女は泣いたもん勝ちやもんな。は、本間あんた最低やわ」
「ひ、酷い!うぅ…」
「ちょ、財前…そこまで言わんでも」


俺がそう言うと財前は一瞬苦しそうな顔をして。「あほらし、」言うてどっかに走ってってしもた。



「謙也先輩、おおきに!」
「はぁ…何があったん?」
「あんなぁ、財前さんったら…」
「光は悪うないわ!!」


いきなし話に入ってきたのは、光の幼なじみの金ちゃんやった。金ちゃんが大きい声で騒ぐもんやから女テニ部長の白石まで出てきてもうて。


「どういうことなん、金ちゃん」
「…………やって、」
「金ちゃん、ええ子やから話して」
「…そこの女、白石の悪口みたいなのんいっぱい言うとったんやで。光は白石のこと庇ったんやで。せやから、何にも悪ないねん…」




「光…うちのため…?」
白石は泣きそうな顔をした。俺はさっきまで泣いとった女の子に「すまん。偽モンって嫌いやねん、」言うて財前を探しに行った。





















中庭の木の木陰んとこに財前はおった。ちいちゃく体操座りして顔を膝に埋めて。あぁ、なんやホンマにちっちゃいんやな、て思った。


「財前、」
「!」


一瞬ばっと顔をあげた財前の顔は涙でびしょびしょやった。そのあとすぐに顔を伏せられてもうたんやけど。


「財前、顔上げて。もうみーんな聞いたで。財前、白石のこと庇ったったんやろ?」
「っ、…う、もう、ええです。かっこ、わるい、から…見んといて、」
「格好悪い?」
「あ、あんなこと、いうたのに…泣いて、もて、やから…」



涙ぽろぽろ流しながらそう呟いた。


「格好悪くなんかないで。お前はめっちゃかっこええわ。ホンマのことも言えへん俺のが、よっぽど格好悪い」
「……っ、ひっく、う…」
「あんな、財前。俺ええかっこしぃやからあんなん言うてもたけど、ホンマは最初っから財前の味方してやりたかったねん」
「…っひっく……」
「…好きな子贔屓したいの、男なら当たり前やん」
「ふぇ、え?」



「好きや、財前。こんな時に言うの卑怯やと思うけど、俺は財前がめっちゃ好きやねん」



気付いたら財前のことおもいっきり抱きしめて告っとった。かっこよくもないけれど、紳士的でもないけれど、好きで好きでたまらなかったから。



「…忍足先輩、ホンマあほや」
「あほで悪かったなぁ」
「これからはどんなにうちが悪くても、うちの味方してください、ね?」







俺が大好きな女の子は、素直でも甘ったるくもないけれど、俺を好きになってくれた。俺はこの子なりの「甘え」を、少しずつでも拾っていけたらいいな。



「財前、ホンマすき。めっちゃすきや。だいすき」
「…恥ずかしい」
「ホンマのホンマに好きやで、ひかる」
「………………うちもです、けんやさん」




スピードスターの俺やけど、光のことはゆっくりゆっくり、そんでずーっと愛してやりたいな。
せやけどずっと我慢しとったんや、ちょっとくらいええやろ?





「光、目つむって?」









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リクエストありがとうございました!





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