ミルクにお砂糖






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『ミルクにお砂糖』




冬の情事後の朝の、ちょっとしたお楽しみ。


「光ー大丈夫かー?」
「痛い…寒い…死ぬ…」
「ミルクとレモンとカフェオレとココア、どれにする?」
「…ミルクティー」
「よっしゃ、任せろ」



謙也さんは俺を気遣って、いつもあったかい飲み物を作ってくれる。そんな優しいところが俺はたまらなく好きやったりするんや。


この鈍い痛みも、謙也さんが一生懸命俺を愛してくれた証拠やし、寒くて仕方ない体は謙也さんがあっためてくれるし。
自分は本当、尋常やないくらい幸せもんやなーって思う。



「光、体大丈夫か?一人で起きれる?」
「……無理、抱っこ」
「ん、ほな首んとこつかまって」
(本当は一人で起きれるんやけど、それは内緒)



「ほら、体冷やしたらあかんではよ飲み」
「んー……」

お揃いのマグカップ。俺のにはいつも甘いのん。謙也さんのにはいつもブラックコーヒー。



「美味いか?」
「はい」


謙也さんが作ってくれたミルクティーはめっちゃおいしい。甘くて優しい味。普通のティーパック使っとるだけやのに、不思議や。


「けんやさん」
「ん?」
「おれ、しあわせや」
「……光、かわいい」
「しあわせ、やー…」
「光眠い?もうちょっと寝てええよ、な?」
「んー……」
「ベット連れてったるからもう一回首んとこつかまってや」
「んぁ、」



謙也さんに抱っこしてもらって、ベットまで移動したけど、謙也さんの首に回した腕は離さない。


「………ひか?」
「やばい、死んじゃう」
「そんなしんどいん?」
「心臓がくるしい」
「光、大丈夫か?」
「ほんま、すき」
「へ」
「おれ、けんやさんが、すきすぎる」



普段なら恥ずかしくて言えへんけど、今日はええんや、特別な。幸せで、さっきまでどきどきしてた胸がいっぱいになって、そのまんま眠りについた。
謙也さん、好き。ずっとぎゅってしててな。






(…ちょ、やばい。こいつ可愛すぎやろ!はぁ…本間好き。心臓苦しいのは俺の方やわ、)




あったかい紅茶にいっぱいの砂糖と、ちょっとのミルク。それに謙也さんが混ぜたのは、ありったけの愛情やった。






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