How ya doing?





璃玖さまへ
2万フリリク企画
貧血謙光か謙光献血デート








『How ya doing?』



はむはむ。
「ひ、光ちゃーん…」
もぐもぐ。
「あ、あんな、俺も違う肉食いた「黙れハゲ」


は、禿げてへんもん!




なんで光がこんなに怒っとるかっちゅーと、今日の昼間に遡る。


久々にデートやって、光可愛いなーめちゃめちゃ幸せやなーって思っとった。

そしたら駅の近くの通りにある看板に目がいって、それには『献血のご協力お願いします』の文字が。
俺は今めちゃくちゃ幸せやのに、他では困っとる人がいっぱいおるっちゅー事実に心が痛んだ。それで俺は献血することを光に提案した。

献血するとその礼かなんか知らんけど終わったあとお菓子が食べれるらしく、それが目的の光は(あと痛いのが好きっていうちょっと危険な、俺的にはおいしい理由もあったり)承諾してくれた。


…とまぁ、そこまではええんやけど。




俺は比重足りるか足りんか微妙なとこやったんやけど「年中無休で健康体やから大丈夫ですわ!」なんて言うて血抜いて。それでそのあと休憩室みたいなとこ移動して。


そのあと急に眩暈がして、体めちゃ怠くなって動けんくなった。まぁすぐ収まるやろーって思って俯いて目閉じとったら光が「謙也さん?謙也さん?大丈夫なんすか?謙也さん、」てめっちゃ心配してくれた。それでも答えるのもしんどくて「ごめんやけど、ちょっとだけそっとしといて」言うたら泣きそうな顔してひたすら俺を見つめた。大好きなお菓子も食べずに。


大分楽なったから何回か瞬きしたあとしっかり目ぇ開けると光は「…謙也さん?」て控え目に聞いてきた。目が赤い。あぁ、また泣かせてしまった。

「ごめんなぁ、もう大丈夫や」
「馬鹿阿保ボケ死ね」
ほっぺ叩かれた。全然痛くないけど、ぺしん。って。全然力入っとらんやつ。
そのあとちいちゃい声で「……嘘。死んだら殺す」言うたのがめちゃくちゃ可愛かったっちゅー話や!



……うん、まぁここまでが回想シーンな。
今俺らがどこにおるかっちゅーと、焼肉屋なわけで。
光にしては珍しく「今日は焼肉食いたいです」言うたから来たんやけど。


光が注文したのは大量のレバーやった。うん、レバーって血を作るらしいな。妊婦さんとか食べた方がええんやろ(白石が言っとった)(なんであいつそんなこと知っとんねやろ)体にええんよな、ははは。


だからって焼肉屋来てレバーだけって!きついやろ!







光はしばらく口をもごもごさせとったけど、それをごくんと飲み込んで口を開いた。


「俺が小さいとき一番大事にしとったおもちゃは兄貴がうっかり踏んで壊しました」
「は?」
「小学生んとき可愛がっとった近所の野良猫はいつの間にかいなくなりました。末っ子やから可愛がられとったけど甥っ子が出来てからは寂しい思いもした気ぃします」
「ひかる、」


「悲しいことがあっても、それでも。あんたと出会うまでの俺は、泣けへんかったんです」



−執着心が無いわけやない。やけどガキの頃、泣いた方が可愛いげあるんやろなって頭で分かっとっても泣けなくて。


「それやのに、今は『もし俺の前から謙也さんがいなくなったら』って考えるだけで次の日頭ガンガンするくらい泣けるんすわ」


−せやから謙也さん、お願い。ずっと元気でおって。

光の瞳にはすでに薄い涙の膜がはられとった。




それからいっぱい光に謝って、いっぱいレバー食って、俺ん家帰ってくっついていっぱい寝た。


朝起きたらなんやめっちゃ調子よくて、体も軽くて。まだ眠っとる光にありがとうを伝えてから頬にキスをした。



ずっと元気でおるよ。俺がお前の願いを叶えてやらん訳ないやろ?

その代わり、お前は一生俺の横で「今日も元気ですか?」って聞いてくれよ、なんて。



−How ya doing?

Yeah,I'm in the Pink!
Because of you!−







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献血で貧血な謙也さんです(まぎらわしい)最後の英文は「謙也さん、調子どないですか」「おう!めーっちゃ元気やで!光がおるからな!!」って感じのつもりで入れました^^
リクありがとうございました!!


2009.11.21 アリア

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