好きで好きで、




※ぬるい性描写有。












謙也さんとのせっくすは、好き。気持ちいのもあるけど、なにより求められてる感じがええねんな。

初めは触れるだけやったキスからどんどん深くなって舌絡められる。それしながら乳首弄られたり舐められたりする頃には俺は理性なんかふっとんどって、ひたすら喘ぐ。俺が最中に言える言葉は「謙也さん」と「好き」だけ。力もうまいこと入らんし、本間格好悪い。せやけど好きでしゃーないから止めれん。

「っ、は…ぅ、ぁ、は、け、やさ…ぅあ、」
「光、かわええ。」

下を触られるといよいよ辛抱ならんくなる(いつもここで数回イかされるしな、いつか恥ずかしさで死ねる)。最初は入れられるのも痛くて苦しくて気持ち悪くて仕方なかったのに、今では快楽一色で、怖い。怖いくらいや。

「ぅ、ひっ…は、ふ、けん、や、さ…ちょ、はや、い…んっ」
「ひか、かわええよ、もっと聞かせて」
「んぅ、ふ、すき、や、けんや、さん…すき、っぁあぁっ…!」









「なぁ、謙也さん」
「なんや?体怠いか?」
「いや、それは大丈夫やけど」

俺は謙也さんが好き。死ぬほど好き。でも俺は俺が嫌い。素直になれなくて可愛くない俺が嫌い。こんな俺を好きだという謙也さんは随分物好きやと思う。



「俺、謙也さんやったらよかった」


思わずそんな言葉が口から出た。そしたら謙也さんは小さい声で「え?もしかして…入れたい、的な?」とかいう意味が分からんことを言ってた。阿呆か。でも謙也さんの処女、欲しいかもしれん。いや、そうやなくて。



「俺は、謙也さんが羨ましいんすわ」
「ん〜そう言ってくれるんは嬉しいけどな…でも俺、今までずっと自分が嫌で嫌でしゃあなかったんやで?」
「え」
「なんもあらへんもん、テニスもぱっとせんしな、ずっと侑士になりたかった、俺」


なんもあらへんことないやんか。阿呆みたいに優しいとこ、俺の大好きな笑顔、キラキラ光る金髪、全部全部。


「俺、丸眼鏡は嫌や」
「ぶっ、はは、お前おもろいな!……ん、でも光のおかげやな」
「は」


ちょっと照れながら謙也さんは言う。
「光を好きになって、好きになってくれて…こういうことしたりできるんも、俺だけやんな。光に出会えて、俺は俺でよかったて思えた。」
「謙也さん、」
「なぁ光、俺の名前呼んでや、いっぱい」

謙也さんもそんなこと思っとったんか。でもそうかもしれん。謙也さんに愛してもらえるのは、俺だけ。うん、俺も俺で良かった、な。

「謙也さん」
「ん」
「謙也さん、謙也さん」
「光、」
「謙也さん、好きや」
「俺も」

俺が嫌いな俺は、謙也さんが好きな俺なわけで。そう思うとなんや自分が、財前光っちゅー存在が物凄く大切な存在に思えてきた。

「俺も光が、世界でいっちゃん好き」
「…そんなん、知ってますわ」



もっと自分を大切にしようと思った。俺に何かあったらこの人が泣くから。これからはもう少し早く寝よう、飯もちゃんと食べよう。「謙也さん、明日善哉食いに行きましょ、目覚めたら」って言ったら謙也さんは嬉しそうに頷いた。俺の大好きな笑顔で。よし、それじゃあ朝が来るまで一緒に眠ろうか。



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