本音と建前




夏休み、テニス部みんなでT●Lに行った。めっちゃおもろかった、やばい。ユ●バももちろんおもろいけど、たまにはこっちもええな!

夜はホテルに泊まった。部屋は何個かあったんやけど結局白石と千歳の部屋に集まった(ちなみに千歳の提案。白石は当然のごとく夜は千歳といちゃつけると思っとったらしく…ごっつ睨まれた。何故か俺が)。まぁここまではええんや。


問題は、千歳とユウジが大量に酒買ってきたとこからや。あぁこの組み合わせろくなこと無いと思ったんや!店の人も中学生に酒売るなや!確かに千歳は大人でいけるけど!
みんなそれなりに呑んどった(金ちゃんはジュース。でも遊び疲れたんかすぐ寝た)。ちなみに俺は呑んどらん。白石に「謙也は絶対弱いで呑んだらあかん!」って言われた。くそ、お前は俺のおかんか!まぁ本間に強い自信は無かったで呑まんかったわ。俺偉い。で、ユウジは小春への絡みがうざくなっとって、小春に銀と千歳は変化無し。健二郎はすぐ寝てまって、白石は千歳に甘えとった。個人的にそんな親友の姿は見たなかったんやけど、まぁそれは置いといて。んで、光はというと…。


「っく、ひっ…うぅ…」
「あぁもう光!お前そんか呑んでなかったやろ!」
「っう、けんやしゃんの、あほ…」


俺より呑んじゃいかんやつがここにおりました。光めっちゃ酒強そうやのに、めっちゃ弱い。しかも泣き上戸。あーまいった。


「…けん、や、しゃん、なん…知らん!」
「はいはい、それでええよ、ごめんなー」
「…!けんやしゃ、それでええん?…おれ、遊ばれとったんや、うぅ…」

あぁあめんどくさい…!


「光ごめん、ごめんな、泣き止んで」
「ひっ、ほんま、ほんまに、いやや、っく、」
「そんな俺嫌なことしたか?ごめんやで」
「ちゃう、けんやしゃん、ちゃう」
「は?」
「おれ、おれが、やだ、」
「ひか、」
「けんやしゃん、わるない。いやちゃう、…めっちゃしゅき、」


なんやこれやばいやばいやばい!可愛いすぎやろ…!なんやねんしゅきって!けんやしゃんだけでも相当やばいのにしゅきって!これ、光の本心なんやろな、きっと。


「う、けんやしゃん、」
「ん?どした?」
「やばい、でる…!」
「はぁ?!」


これ台詞だけやったらエッロいけど実際洒落にならんからな。上からやから。一番出しちゃいかんもの出そうとしとるから。

タオルで口押さえさせてペットボトルの水持って、大急ぎで光引っ張って洗面所連れてった。



「う、げほっ、ごほっ、うぇ…」
「大丈夫か?全部吐いてまい、楽になるで」

えずいとる光の背中摩ってやる。しかし酔っとったにしてもあんなに泣くなんて…。あれはきっと紛れも無い本心やろうし、光もいろいろ溜め込んどったのかもしれん。


「っ、けんやしゃん、俺、不安なんれす…」
水飲ませたあと、光は話し出した。酔いは冷めてないし相変わらず呂律も回っとらんけど顔色はさっきより良さそうや。

「俺、女やったらよかった、もっとちっこくてやわこくて、可愛い、女やったらよかった」
「ひかる…」
「本間はずっと不安やねん、可愛くないことしか言えん、上手く甘えることも出来ん。こんなんじゃいつか愛想尽かされるんやないかって…」

阿呆。そんな訳あるか。こんな可愛いお前を簡単に手放してたまるか。

「なぁけんやしゃん、本間はいっぱい言いたいねん、けんやしゃんがしゅきや、しゅき、むっちゃあいしとる」


重いやろ、俺。って自嘲するように笑う光を抱きしめて、そのまま俺らの部屋に戻った(まぁ誰も気付かへんやろ)。触れるだけのキスして、いっぱい愛してるって言って、抱きしめたまんま二人で眠った。


俺不安にさせとったんやなぁ…。なんで光は分からんねん!俺、こんなにベタ惚れやっちゅーねん!
これからはもっと光の気持ち考えたらないかんな。それととりあえず、俺も可愛い光が、めっちゃめちゃ、しゅき。なんてな。



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