sweet MY wife(謙にょた光)





仕事終わって家帰ったら、マンションの鍵が開いとった。光、合い鍵で入ったんかな。

光っちゅーのは、可愛い可愛い俺の彼女。真っ白で大きな猫目。華奢で柔らかな体。セミロングくらいの長さの真っ黒なつやつやの髪。耳にはピアスが5つ。かなりの美人。言うとくけど、誰にもやらんで!

もう付き合って随分経つけど、マンネリとかは全く無い。俺は光が可愛くてしゃーない。まさに溺愛しとる。光はよく渡しとる合い鍵で俺んち来てご飯作って待っとってくれる。きゅーん!


「ひかるーただいまー」
ドアを開けて中に入るといつものようにご飯のにおいもしないし、部屋は真っ暗。あれ、おかしいわ。電気を点けたら光はちょこんと正座しとる。…本間におかしない?これは。


「ひかる、どうした?」
「…謙也さん、もしうちがOL辞める言うたらどうしますか」
「へ?」
「謙也さんと一緒に住みたいとか、専業主婦になりたいとか言うたらどうしますか」
「ちょ、光?」
「謙也さんのまだまだ先が長い人生、うち以外としかもう恋愛出来ひんっていうのは、耐えられますか」


一気にそんだけ言うと光は大きな目から涙を零した。よく見ると目は赤く瞼は腫れとって、俺が帰ってくるまで泣いとったんやなぁ、って胸が痛んだ。


「ひっ…ぅ、…っく…」
「なぁ光、泣かんで」
「うぇ、謙也、さん…」


「俺は光がいつ仕事辞めてもええよ。これから光のご両親にも挨拶行きたいって思うとったし、俺はいつだって一緒におりたい。なんなら今日からでも光が今住んどるアパート引き払ってうちに来ればええとか思っとる」
「謙也、さん…」


「それに俺はこの人生、もう光以外好きになれんよ。光だけが一生好き」


光は手で涙を拭って、とびきり可愛い笑顔を見せてくれた。

「あんな、謙也さん、」
「どうした?なんでも言うてみ」
「…………できた」
「ん?何がや?」
「あかちゃん、できた」



…………………はい?



「え、あ、あかちゃん?」
「うん。うちと、謙也さんの、あかちゃん」
「本間に…?」


光は泣き止んだっちゅーのに今度は俺がだーだーに泣いてしもた。

「あかん、むっちゃ嬉しいんやけど…光、ありがとう。本間ありがとう」
「謙也さん、」
「聞こえるか?パパでちゅよ〜」
「…産んで、えぇの?」


光は今年就職したばっかやし、新しい環境に慣れるまで時間掛かる子やから、って自分なりに気ぃ遣ったつもりやったけど光を不安にさせるんやったらもっと早くしとけばよかった。
……プロポーズ。


「光、お願いします。俺と光のあかちゃん、産んでください。ずっと、死ぬまで一緒におって」
「……………はい」



俺の宝物は、ふたつになった。守りたいものも、ふたつになった。もう、本間に愛してる。


「…謙也さん似やったら、えぇな」

抱きしめて眠る寸前、光はそう呟いた。俺は光似のがええかな、と思いながら頬にキスをした。



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