空、太陽、風、君。




今日の授業は自習。みんな適当に話したり寝とったり。楽や、毎日自習あればええのに。課題のプリントほどほどに済ませ平和やなぁとか思いながら窓の外見とったらどっかのクラスが体育やっとった。あ、部長やんか。てことは謙也さんもおるよな…あ、いた。あんな派手な色何処いたって見つけやすいし。


炎天下の中みんなトラックを必死に走っていた。謙也さんはというと、圧倒的に速い。あの人陸上部入ったほうがよかったんやないか。


ずざざざざーーっ


あ、こけた。謙也さんえらい派手にこけたし。一気にドベやし。笑われとる笑われとる。部長なんて大爆笑やし。本間あの人鬼やな。半泣きや、ちょっとかわええ。もー、しゃーないなぁ。
俺はクラスの友人に適当に理由を行って保健室に向かった。







「失礼しまーす」
「わ、光や」
「保健室のせんせぇは?」
「なんやおらんかった。ちゅーかお前なんでここにおんねん」
「体育張り切りすぎて派手にこけた可哀相な謙也さんのために来たったんすわ」
「うわっ!お前見とったんか!はっず!」


別にはずいことないやん、なんや走っとるときかっこよかったし(ってのは絶対言ってやらん)。謙也さんのすねと腕はべろーんって皮めくれて血が出とってむちゃ痛そうやった。むしろここまでくるとホラーや。

「ほら、謙也さん特別にこの俺が消毒したるで手出して」
「い…嫌や!」
「なんでやねん」
「今!絶対!消毒!痛い!しみる!」
「びっくりマーク使いすぎやろ。ほら、はよ出さんと包帯でぐるぐる巻きにすんで」
「それおもいっきり毒手やん!いややキャラかぶる、それだけは勘弁!」

謙也さんは勢いよく手を出してきた。痛みよりキャラを気にするなんてさすが関西人やなーなんて思いながら消毒をしてやる。

「痛かったら言うてくださいねーいきますよー」
「…………い、痛いいいい痛いですううう!」
「はーい頑張ってくださいねー」
「なんもしてくれへんのかい!」

謙也さんは半ベソかきながらうあうあ唸っとった。かわええなぁ。…離れたくないなぁ。


「なぁ謙也さん」
「なんや」
「俺、これからもずっと、謙也さんと別れたくないです」
「え」
「ずっと阿保でヘタレの謙也さんと一緒におりたいです」
「光…」
「謙也さんの特別は、ずっと、俺だけでええんです」

なんや良い天気やったし謙也さんは可愛いし気分はいいし。たまには思ったことを素直に言ってみようなんて、ほのぼのとしたことやってみた。

謙也さんは真っ赤になって「お、俺も!俺も光とずっと一緒におりたい!」って勢いよく立ち上がって怪我したとこをおもいっきし置いてあった椅子にぶつけて悶えとった。

なんや分からんけど、謙也さんとおると心洗われてく気がする。珍しく素直になったついでや、今日は思う存分甘えとこ。痛みに唸ってる謙也さんの背中に、力いっぱい抱き着いてやった。



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