「おはようございます」
「うむ、お迎えご苦労」
「朝から上から目線やめてください」
今日も眩しいほどのミニスカートに黒ハイソ……じゃなかった。…眩しいほどに自意識過剰な彼女はニンッと笑って言った。
「積もったね、雪」
「そうですね。昨日の予報からして降るんじゃないかとは思ってましたが」
「あんまり嬉しそうじゃないなー」
「まあ、嬉しくありませんからね」
「アレンの頭にばっか積もるから?」
「僕の頭はもともと白ですけど、なんですか?喧嘩売ってんですか?」
「分かってる分かってる。電話番号はナヤミムヨウよ」
「一体なんの電話番号ですか。僕にはさっぱり」
「アレン……」
「なんですか」
「頑張れ…」
「しみじみ言うのやめてください」
あは、と笑って玄関の階段を下りる彼女に溜め息を1つ。
チラ、とスカートから覗く太ももに視線を向けてからまた白い溜め息をついた。
「それ、なんとかなりませんかね」
「?どれ?」
「…スカート丈」
「もっと短くしてパンツ見せろって?このエロ紳士!」
「言ってませんよ!つーか君のパンツなんて死んでも見たくない」
「分かった。一生、死んでも見せない」
「嘘です死ぬほど見たいです」
「うむ、素直でよろしい」
そう言って僕の自転車の後ろに股がった彼女は、僕の腰に抱きついて背中に顔を埋めた。くっそ、柔らかいし気持ちいい……じゃない。なに考えてんだ僕は変態か。
「…ねぇ、スカート」
「ん?今パンツみたいの?」
「違いますって!そういう思考から離れてください。僕が言いたいのはそんな座り方したら見えるってことです」
「見えるってパンツが?」
「他に何があるんですか」
「アレンさ、」
「なんですか」
「アレンこそその思考から離れなよ」
僕の彼女は自意識過剰
(君が知らないみたいだから言っておきますけど、男なんて年がら年中そんなことばっか考えてますよ)
(今人生で一番どうでもいい話聞いたわ)