痴漢撃退塾に通い始めた
一緒に帰れないと突然告げられどうしたのかと彼女に尋ねれば、またもや予想だにしなかった答えが返ってきた。
ああ、そうですね。君は可愛いから。うん、いいんじゃないかな勝手に行け。
「春は変な人が多いし、夏は開放的になる人が多いから」
「どうして僕の顔を見て言うんですか」
「春は変な人が多いし、夏は開放的になる人が多いから」
「どうして2回言うんですか。僕は痴漢も露出もしませんよ!」
だよね、と笑う彼女の目はまだ疑惑に揺れていた。しつこい。
「大体痴漢も何も僕らは間借りなりにも付き合ってるはずなんですがね」
「ウォーカー、私ね、昨日面白い撃退術聞いたの」
「無視ですか」
「ううん、ちゃんと聞いてるよ」
「付き合ってもないのにしつこく付きまとってくるストーカーを撃退する方法なんだけどね」
僕の彼女は自意識過剰
(ねぇ、おかしいよね、何かがおかしいよねソレ)
(世の中って怖いね、ウォーカー)
(お前が一番怖いよ)
*
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