こんな日常
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※同棲設定

『…もうこんな時間。』

ちゅんちゅん、と鳥のさえずりで目が覚める。

6時をさす時計をぼんやりと眺めながら、朝ごはんどうしようかな、と冷蔵庫の中身を頭の中で確認する。

小さく欠伸を零してはもぞもぞとベッドから抜け出しキッチンへ向かった。


『この卵賞味期限切れそう…使っちゃお。』

卵焼きとベーコンとサラダ。それに茄子のお味噌汁を手早く作る。確かカカシ8時くらいに家出るって言ってたな、と思い出せば、はっとして時計を見る。

『もうすぐ7時…起こさないと。』

カカシが寝ているベッドへ近付けば、『起きて、もうすぐ7時だよ。』と声を掛ける。

しかしベッドからは ん〜…となんとも眠そうな声。

『もう。また遅刻したらサクラちゃんにどやされるよ。』

ゆさゆさ。揺らしても全く起きる気配が無い。


『…』

玲は静かに両手にチャクラを溜めて、びりびりと雷遁を発動させる。

するとカカシはがばっとベッドから起きあがり瞬時に間合いを取った。

『あは、おはよーカカシ』

へらりと笑って玲は手を近づける。

「ちょっタンマ!!!起こすのにそれはないでしょーよ!」

『だって起きないんだもーん。もうご飯出来るよ。』

そのカカシの様子に楽しそうにけらけらと笑ってはリビングへ向かう。

カカシははぁ、と溜息をついて玲の後を追った。


二人で朝食を食べながら今日の予定を確認する。

「今日はみんなでDランク任務。多分夕方には帰ってくるよ。」

『そっか。気を付けてね。』

「ん、ありがと。玲は?」

『私は単独のAランクかな。』

「そっちこそ気を付けてよ。」

『あはは、私を殺せる人なんていないから大丈夫〜』

「そうだけど用心に越したことないでしょ」

ご馳走様、と手を合わせるカカシにお粗末様、と返す玲。

二人で食器を下げ二人で片付けをする。

歯を磨いて着替えれば二人で家を出る。

ぽかぽかと暖かい日差しに欠伸を零しながら『いい天気だねえ』と笑いかける玲。

「そうだね」なんて返事をしながら、幸せだなあと柄にもなく心の中で呟く。

世はまさに戦の時代。いつ誰がどこで命を落としてもおかしくはない。

「(お前だけは命にかえても守るからね)」

愛おしそうに目を細めて玲を見詰める。

すると不思議そうに玲はカカシを見上げた。

『どうしたの?』

きょとんと目を丸くする玲の頭を優しく撫でては「なんでもなーいよ」と笑った。


こんななんでもない日常がずっと続きますように。

晴れ晴れとした空を見上げてそんなことを思った。

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