尾行
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巻物を追い掛けるカカシは、ツキのチャクラが後ろで大きくなったのを感じた。

「(素直にこっちに来ちゃったけど良かったのかねぇ)」

男の後を追いながらそんなことを考える。

しかしあのまま張り合ってても仕方無い。

ああ見えてツキは頑固なのだ。


男を追って着いたのは火の国と風の国の国境付近にある小さな小屋だった。

「(こんな所で何を…?)」

静かに小屋の中へ侵入し、ドアから部屋の中を覗く。

男は中に居た黒い服の女に巻物を渡そうとしていた。

すぐさま止めようと思ったが、ここで暴れて小屋を破壊する訳にも行かない為少し様子を見る。

中の会話は聞こえないが、何となく男が怖がっているのがわかる。

「(あの女が裏で糸を引いていた張本人…)」

証拠がある訳では無いが、カカシの直感がそう言っていた。

女は男を連れて何処かへ移動する様子だった為、カカシは外で待ち尾行することにした。

砂埃が舞い上がる中、女はすたすたと歩いて行く。

歩みに迷いが無いことから、ここら辺は歩き慣れているのだろう。

そしてしばらく歩くと、近くにあった岩の上に人影が見えた。

「(仲間か?)」

カカシは更に眉を顰める。

その人影は女の側へ降りると、カカシの方を向いた。

「(バレている…?)」

じっと身動きをせず観察していると、その人影が何か印を組んだ。

咄嗟にカカシは写輪眼を出し対抗する。

巻物を持った女は、男を岩に拘束し去って行く。

「足止めってところか。」

言い終わると同時に、二人は印を組み終わる。

「「土遁、砂斬切!」」

辺り一面を砂が覆うほどの技がぶつかる。



砂が風に流されやっと視界が晴れた時、技を仕掛けた人影の目に カカシはもう居なかった。

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