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王子様?



「なまえーお前の彼氏起きてきてないぞ」

「……大地?普通にスガって言って」

「スガ、まだ部屋で寝てたよ」

大地はニヤニヤして、旭は困ったように頭を掻いている。


「あ、なまえ。もうすぐ朝ご飯の支度始めるから早めに戻ってきて」

潔子…それ訳すと、私がさっさとスガを起こして、さっさと帰ってこいってこと?


「もーぉ…起こしてくる」


時間が惜しいと思って、走って三年男子部屋へと向かった。
三年の部屋は一、二年に比べてまだ足の踏み場があるから助かる。
一、二年の部屋なんて汚くて入ることさえ迷うレベルだ。

ひょいひょいっと荷物を踏まないようにスガが寝てる布団まで辿り着く。


「孝支、起きて」

「んん…なまえ…?」

「うん、そう」

目をこすりながら身体を起こしてこちらを見ている。

「ふふ、寝癖ついてる」

ふにゃりと笑って寝癖を触れば、孝支も笑った。


「起こしにきてくれたの?」

「うん。だって起きてこないんだもん」

「ありがと……」

私の腰あたりに腕を回すとそのままズルズルと下に下がって、正座してる私の太ももに顔を埋めてまた寝そうになっている。

「孝支ってば。私朝ご飯の準備に行かなきゃだから」

ガッチリと私に抱きついている孝支の身体を揺する。

「わかった…起きる……」

名残惜しそうに私から離れた孝支は少し拗ねた表情。

「起こしに来てくれてサンキュ」

私の長い髪を一束とって、それに軽く口付ける孝支はまるで王子様で、すっごくかっこ良くて私は思い切り照れてしまった。

「あれ?なまえ照れてんの?」

「孝支が王子様みたいなことするから…」

するとニヤリと笑って頭の後ろを抑えられ、思いっきり深くキスされた。


「王子様はこんなことしねーべ」

口を離すと意地悪くニヤついて、私の唇を撫でてきて。
やっぱり王子様に見えたんだ。




「…っ、ばか!」



ずっとそばにいてね。私だけの王子様。



王子様?
(「もう!朝ご飯作ってくる!」)







あとがき

照れてるなまえちゃん最高。
王子様なスガさん最高。



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