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俺のもんに触んなよ?



「なまえー!」
「なまえさーん」
「なまえさん」
「なまえ」
「なまえっ!」


なまえの名前があちこちで呼ばれている。
なまえは、笑顔で返事を返してそちらへと駆け寄る。


「……クロ。顔怖い」

「え、マジ?」

なまえを目で追っていたら自然と眉間に皺が寄っていたっぽい。

「そんなに気になるならなまえんとこ行けばいいじゃん…」

「そんなんかっこわりーじゃん。余裕ない彼氏みてーで」


俺となまえと研磨は幼馴染みってやつ。
そして俺となまえは付き合ってるってやつ。

でもなまえは今ーーー


「烏野のマネージャーさーん」

「はーい!あ、みょうじなまえといいますー!」


音駒の赤のジャージではなく、あの黒のジャージを着て、マネージャーをしている。


「だからクロ怖いから」

「……」

俺のなまえの名前を軽々しく呼ぶなよ、なんて思ってる俺はやっぱり余裕ねーなぁ。






「クローみんなー」

俺が木兎やメガネ君達と自主練してたらなまえがおにぎりを持ってやってきた。

「おおおおおなまえあざーす!!」

「ドウモ」

皆嬉しそうにおにぎりを手に取る。
俺がそれを見ているとなまえは不思議そうに俺のそばへと来る。

「クロ?どうしかしたの?」

「……いやなんでもねー」

「おにぎり、一つだけクロの好きな味にしたよ?食べない?」

こっそりと俺に手渡してくれるおにぎり。
その姿が可愛くて可愛くて。

「ん、ありがと」

「ふふ、よかった」

「なーなーなまえー」
「なまえさん」

その時またなまえの名前が呼ばれて、なまえは俺から目を外して、そちらへと歩み寄ろうとした時ーーー

俺は思わず、

「クロ…?」

なまえの腕を掴んで体育館から連れ出していた。


「クロ、クロ!どうかしたの?」

「なまえは俺のもんって印つけていい?」

「え…?」

なまえが戸惑っている隙に、俺はなまえを抱き締めて首に顔を埋める。

「やっ…クロ……どうしたの…?」

「お前は俺のもんだから。他の奴らに笑いかけるんじゃねーよ…」

赤く印の付いた首を優しくなぞればなまえはクスクス、と小さく笑った。

「クロってば…ヤキモチ?」

「わりーかよ……」

「今日クロ、体育館の柱にぶつかったでしょ?あと、食堂の入り口で頭ぶつけて研磨に笑われて、あとはーー」
なまえは今日俺がしたいくつかのことを言い上げた後、俺の頬を優しく包む。

「私もね、ずっとクロの見てたよ?」

その少し照れた笑顔が可愛くて。

「ハッ…お前も相当俺のこと好きだなぁ?」

「クロに言われたくないわ。ヤキモチやきめ」

悪戯に笑って、そしてなまえは思いついたように言ってきた。

「クロにも私のもの、って印つけちゃおうかな?」






こいつには一生敵う気がしねぇ。
なぁ、お前は一生俺のもんだよな。




俺のもんに触んなよ?
(「ねぇ…キスマーク見えちゃうんですけど…」)






あとがき

裕架様、リクエストありがとうございました!

この後キスマークを見られ、散々からかわれたなまえちゃんでした。

ちなみになまえちゃん烏野に行ったのには色々と理由がありましたが長くなってしまうので省略しました。


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