×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -





「誰にもあげない、俺のだから」




「なまえさんと黒尾さんって付き合ってるんですか?」

梟谷学園グループの合宿中。
烏野の日向くんにそう聞かれて私は苦笑い。

「それ田中くんと西谷くんにも聞かれた。でも違うよ」

「そうなんですか!?俺、仲良いから付き合ってるのかと思ってました」

「幼馴染ってだけだよ。それにあいつはああやってからかってるだけ」

私とクロと研磨は幼馴染。
昔からいつも三人一緒で、自然の流れで三人とも同じ高校に入り、同じ部活に入った。

「からかってる?」

「うん、研磨をね」

日向くんは、わけがわからない、という風に首を傾げていたが、影山くんに呼ばれそっちへと走っていった。



「なまえ…」

「っわ!びっくりした…」

後ろに気配を消して立っていたのは研磨。
なんだか少し怒った顔をしている。

「どったの?」

「またクロと付き合ってるって言われたの?」

「え…ん、そう。クロがベタベタしてくるから勘違いしちゃう人が多いみたい」

クロはいつも後ろから抱きついてきたり、頭を撫でたり、頬にキスしてきたりするのだ。
そりゃ勘違いだってされる。
やめろと言っても聞いてはくれない。


「…研磨?」

黙って俯いてしまった研磨の顔を覗き込む。

「なまえは俺のなのに」

あら、珍しくヤキモチやいてる。

「あたりまえじゃない。私は研磨のものだよ?」


すると研磨は私の腕を取り、体育館から連れ出すと、所謂壁ドンの体制へともっていかれた。

「……っ!?」

それから研磨は私の首元にかぷりと優しく噛み付いた。
驚きのあまり逃れようとするが研磨の膝が私の足の間に入って、壁に縫い付けられている状態になっているためそれは叶わない。

「けんま…ちょっと…っ」

何度も何度も噛み付かれ、痛くはないけれど少しだけチクリとした。

「これなら…俺のって、わかる」

おそらく首にはキスマークや噛み付いた跡が残っているのだろう。
研磨は私の首を撫で、満足そうに笑った。

「もう…ホント猫みたいなんだから」

俺の、ってマーキングする猫と一緒。




「なまえは誰にもあげない…よ?」




うん、これからも貴方だけの私でいさせてね。




「誰にもあげない、俺のだから」
(クロにちょっとだけ感謝かも…)





あとがき

研磨がヤキモチをやいてるところを見るのが楽しくて、いつもわざとなまえにくっついていたクロでした。


prev next
back