零崎少女の蒼穹観察 | ナノ


▼ 4話

「あららー?いつも保健室に来てる沢田くんじゃーん」

少女と少年の出会いはただの偶然だった。
たまたまその日遅刻してきて、たまたま少女漫画の王道展開の様に死角でぶつかる。
これで更に食パン食わえて「やだっ!私ったら遅刻遅刻ー☆」なんて言っていたら傑作だ。

「いったぁ!ご…ごめんなさい!」

「おーう、こちらこそごめんねー!」

そう言って目の前の少年は頭を下げてきた。
そこで少女はきづいた。

(あ、コイツ…保健室の常連さんじゃん。補習の時も一緒だった気が…)

そして冒頭へ戻る。

「今日風紀委員がチェックする日だったわけか!キャハハ、すっかり忘れてた!」

もう遅刻確定だけど!、と加えて呟く。

「ああーぁ、どうしよう…」

「噛み殺されるしかないね!少年よ、骨は拾ってやるから安心して逝ってらっしゃーい!」

「えぇえぇぇぇぇ!?ちょっと鶴見!!!裏切り者ー!」

そう言って沢田綱吉の背中を押して囮にする。そして沢田綱吉は見事に雲雀恭弥のトンファーの餌食となった。

反省はしてるけど後悔はしてない。

(そういえば私、沢田と同じクラスだったよなー。仕方無いから先生には言っておくかな!)

「いやー!私って優しいね!」

まぁ、本当に優しい人は自分で優しいとは言わないものだけど。


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