零崎少女の蒼穹観察 | ナノ


▼ 3話

(ここ数ヶ月呼吸してなかったからな…)

つい、うっかりやってしまった。
少女がそれをやったのに理由も罪悪感もない。ポタリポタリと赤い液体が彼女の持つ細い、一部分が赤く染まった糸から垂れる。
足元には首無し身体が転がっていた。



この世界は大まかに4つの世界に分けられる。

一つは【表世界】
一般的な日常世界。そこは犯罪も起こればマフィアもいる。幸せな家庭もあれば不幸な家庭もある。
我々の様な一般人が住んでいる世界。

二つは【財力の世界】
表の世界に一番近い世界。財力を司っている。
《赤神》《謂神》《氏神》《絵鏡》《檻神》と言う五つの財閥がトップに君臨している。

三つは【政治力の世界】
一種の結社みたいなもので、政治力を司っている。その力は横向きに広い。
《壱外》《弐栞》《参榊》《肆屍》《伍砦》《陸枷》《捌限》、そして玖渚機関はこれらを統括して一つの世界を作っている
本部は兵庫県南東部の神戸、西宮、芦屋の3市にまたがって存在している。

4つは【暴力の世界】
異形・異端・異能こそが支配する秩序で無秩序な世界。この世界には《殺し名》《呪い名》と言う二つの集団がある。

匂宮雑技団
序列一位
相手が誰であっても頼まれれば殺すから殺し屋

闇口衆
序列二位
特定の誰かのために殺すから暗殺者

零崎一賊
序列三位
理由なく殺すから殺人鬼

薄野武隊
序列四位
正義のために殺すから始末人

墓守司令塔
序列五位
皆の為に殺すから虐殺師

天吹正規庁
序列六位
綺麗にするために殺すから掃除人

石凪調査室
序列七位で最下位
生きるべきではない者を殺すから死神




その少女、《吊られる蜘蛛 デモンエクスポゼネック》こと零崎鮮織はその中の殺し名序列三位の殺人鬼集団の零崎一賊の一人だった。


「明日のニュースは並盛の首無し死体みたいなぁ?、なんつって!キャハハハハ!」

色々と笑えない。
恐らくこの死体を放置して置けば見回りをする風紀委員に見つかることだろう。それが雲雀恭弥にまで回ったら厄介な事になるのは目に見えていた。

(あの人の並盛愛は半端じゃないもんね、着うたが校歌なくらいだし)

思わず苦笑いを浮かべる。

「とりあえず、しょーこ隠滅しなきゃな」

そう呟くと零崎鮮織は携帯を取り出して、何処かへ連絡をして死体処理を頼んだ。

翌日、首なし死体のニュースは流れてこなかった。


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