▼ 9話
「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!沙織ちゃんの登場だよ!キャハハっ、驚いた?驚いちゃった?」
「いえ、貴方が此処に来ることは予想していましたから。」
「ふーん、」
「並中喧嘩ランキングでは4位だそうですけど、殺人能力ランキングは上位の方に入っていましたからね。千種が撒かれたのも納得がいきます。」
「うっわ、なんつー物騒なランキング!そんなランキングの上位にいる沙織ちゃんが一番物騒なんだけどお!キャハハ!」
そう言って罪口特製の武器をスカートの下に隠していたホルダーから取り出す。
「変わったナイフですね。いえ、拳銃…ですか?」
そう言いながら目の前の少年も三又槍を持ちソファから立ち上がる。
「キャハハ、ナイフで正解だよ!」
拳銃の様な形をしたナイフ
攻撃を当てた瞬間に引き金を引くことで火薬を炸裂して刀身を振動させることによって攻撃力を上げることができる。
それが私の武器だ。
少女はナイフを振り少年の頬を掠る。
少年は三又槍を振り少女の腕を掠る。
「クフフ…少々油断していました。」
「キャハ───キャハハハハ!ひゅー、なかなかやるじゃん。沙織ちゃんも驚いちゃったよ!でもまだまだこれか───ってあれ?」
ぐらりと沙織の体が崩れ、持っていたナイフが落ちた。
「あららー?ちょっとおかしいなあ…」
「こんな時のために薬を塗っていて正解でした。少しの間、眠っててもらいますよ。」
最後に見たのは少年が怪しく笑うところだった。
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