▼ 7話
「ところで、笹川兄は犯人みたの?」
「ああ、あの制服は隣町の黒曜中のものだ。」
「ええ!?中学生ですか!?」
「うむ、沢田も気をつけろよ。」
「お兄さんまで…、俺は関係ありませんって!」
「でも犯人の目的は良く分からないから沢田も用心しとくべきさ、もしかしたら沢田が狙われてるかもしれないしね。」
「鶴見まで…」
「しかし…くそォ!あのパンチは我部に欲しかったあああぁぁ!!!」
笹川了平は拳を強く握り締めて大声で言う。
うわぁ、暑苦しい。
面白いを通り越して暑苦しい。
「これはお前のか?」
そういってリボーンはアンティークデザインの懐中時計を笹川に差し出す。
「いや、見つかったとき俺の胸の上に置いてあったものだと聞いたが。」
それなら犯人が置いて行ったって考えるのが妥当だろう。
「ところで、その中身はどぉーなってる?」
そう聞くとリボーンは無言で時計を開いた。
横から時計を覗いて見ると針は6時を指していた。
丁度私の懐から携帯の着信音が鳴る。
非通知からの連絡だった。
「あ、じゃあこの辺で私は失礼するぜ!沢田も怪我はよしてね!くれぐれも笹川兄は安静にしとけよー!治療すんのは私だからさぁ、じゃーね!」
「あ、うん」
「鶴見も気をつけろよー!」
病室から出て人気が無い場所に移動して携帯にでる。
「………はいはーい、もしもし?こちら、沙織ちゃんの携帯だよ!どちら様?
………キャハハ!じゃあ雲雀は一人で乗り込んじゃったわけ?キャーステキ!、かっこくいー!、イケメン!、惚れちゃう!戯言だけど!
………うん、そこら辺は任せてください!寧ろ任せろください?
………じゃ、しつれーするぜ!草壁哲さん!」
(私、面白いことは好きだけど、面白いからって楽しみを取られるのは嫌いなんだよね)
「まぁ、この間やったばかりだし草壁さんとの約束を破ることになっちゃうけど」
鶴見沙織 否 零崎鮮織の手にはいつの間にか糸とナイフが用意されていた。
「零崎を始めちゃおっか」
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