入部届け


運命、だなんて一瞬思ってしまった。
どうしてだろうね。


入部届け



「入部届け?」

「うん!」

「写真部に?」

「うん!・・って何回言わせるの!ゆきちゃん人の話聞いてた?」

「聞いてたよ。3回。」

「・・あのねぇ。」

「おいおい。おまえら落ち着けって。」

<バーン>

「よぉ!元気にしてたか後輩共!!」

「「真弘先輩?」」

「え・・俺KY?」

「「はい。」」

――――

「で?」

「先輩も唐突っすね。」

「なんだよ拓磨。」

「いえ。(なんで俺ばっか・・)」

「写真部に入部したいという人がなんと4人もいたんです!」

「「へぇ。」」

「・・・。」

「ゆきちゃんまでなんで『へぇ。』って言ってるの?さっき話したよね?」

「・・確か。」

「・・まぁ、とにかく!これで廃部は退けたってこと!」

「よっしゃあああ!今日は飲みだあああ!」

<バコッ>

「じゃあ、入部届け渡さないといけないんだね?」

「うん。」

「じゃあ俺は入部届けのやつコピーしとくな。(真弘先輩スルーされてる・・)」

――――

放課後。写真部部室。


「写真部入部4人。
1人目は4年、原田左之助。
2人目は1年、藤堂平助。
3人目は1年、雪村千鶴。
4人目は1年、南雲薫。
って、この2人・・・。」


入部届けがその後提出され、内容を確認していたとき目に入ったのは彼らの写真・・のうちの2枚。


「藤堂平助・・雪村千鶴・・。」


あの日、・・桜の下で笑う男女。まるでその男女のためにあるような桜の木。
昔からある桜の木がその時はそう思えて私は桜を撮った。
その時の男女がまさかこの2人で、しかも写真部に入部するとは。

なんだか運命、・・だなんてね。
そう思った自分に笑ってしまった。



2011/07/24


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