未来への魔法 | ナノ
瞳に映る景色


ごめんね。
僕には時間がないんだ。


「山崎君、沖田さんたちどこにいったと思う?」

「そうですね・・2人は戦うつもりなんでしょうか。」

「うーん・・”力”を使うしかないか。
『彼の居場所を教えよ』。」

―――

「ねぇ。僕に何の用なのかな?」

「本当は殺したいんですけれど今は女なので・・」

「そうだね。でもどうして女装を?」

「・・あんたを殺すと悲しむ奴がいるから。考えているんだよ。
それに話をもう一度したかったしね。」


河原で佇む1組の男女。
実際は青年と少年。


「殺さなくても僕は死ぬよ?労咳なんだ。」

「・・分かるよ。血の臭いが違う。」

「鬼は便利なんだね。」

「俺を馬鹿にしてるのか?死ぬ運命でも俺の手で殺す!」

「そうこなくっちゃ。」


―――

「山崎君!この辺り!」


少年の真上には薄水色の生き物が飛んでいる。
その生き物の鋭い尾は河原の方を指している。


「待って下さい、蒼井さん。早い。」


それを追いかける青年の顔には疲れが見える。


「ほら!ここに、」

「蒼井さん?」


瞳に映る景色
(2人の男が倒れていた)
(1人は血塗れたマントを羽織っていて、)
(もう1人は口元に赤いモノをつけていた)



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