未来への魔法 | ナノ
4番組組長


沖田さんが労咳だなんて信じたくもなかった。
普段の言葉や行動にはいつも振り回されていたが、やはり最近のあなたは元気がなかった。
それでも平気でいようとするのには頭が上がりません。


「蒼井さん!」

「山崎君?!一体どうして・・・」


副長に先回りをしてくれと言われて先に来ていたのだが、読みはあたっていたようだ。


「一人では危険です。俺も一緒に行きます。」

「・・土方さんに言われたんだね。」

「想像にお任せします。」


蒼井さんと出会ったのは、俺が新選組に入隊した当日だった。


『それでコイツが監察方の山崎だ。』

『よろしくお願いします。』

『嫌だなぁ。まるで誰かの分身みたいだ。』

『”分身”?』


沖田さんと馬が合わないのは、この初対面時の態度のこともあるだろう。


『まぁ、とにかくだ。これから『失礼します。』


自己紹介をしている和やかな雰囲気が一瞬にして変わった。
副長が話している最中に入ってくるなんてどんな奴だと腹が立った。


『巡回の為遅くなりました。』

『ああ、蒼井か。そこでいいから自己紹介してくれ。』

『遅れてすみません。4番組組長蒼井ゆきと言います。』


入ってきたのは俺より年下に見え、男には見えない体をした少年だった。


4番組組長
(初めて出会った時のことを)
(今でも忘れられない)


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