未来への魔法 | ナノ
上司の病気
沖田総司というのは僕の上司の名前。
彼は最近体調が悪くて、僕が代わりに「組長」をやっていた。
その、体調が悪い上司がいなくなった。
「探してきます。」
「ちょ、待てよ!総司のことだから散歩にでも行ったんじゃ・・」
「それが散歩じゃねぇんだ。蒼井んとこの隊士が街で総司を見かけたんだ。」
「はい。自分は、先程まで街にいて団子を買っていたんです。その時、沖田組長らしき人を見ました。
しかし隣には女性の方がいて・・見間違いかと思いながらも、ここに帰ってから沖田組長の部屋に向かおうとしたら副長に会い・・・」
「南雲薫か。・・副長、行ってきます。」
「蒼井!!」
あの人は馬鹿だ。
南雲薫が「ただの女性」でないことに気付いているのに会おうとするなんて。
ましてや体調が悪いというのに!
僕は、ただひたすら街へと足を急がせた。
暗い中を走るのは多少辛いものだったが、今はそんなことは気にしていられない。
「っ、くそ。」
「どうしますか、副長。」
「何がだ、斉藤。土方さんも何のことを・・」
「・・・あいつは、労咳なんだよ。残された時間は少ない。
このことは俺と斉藤と山崎しか知らない。」
「雪村も知ってます。」
「ちょっと待ってくれよ!総司が労咳?!」
上司の病気
(隠されていた真実)
(残された時間は少ない)
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