bookシリーズ | ナノ


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土沖+原/新婚夫婦



「土方さん行ってらっしゃーい」

「あぁ、行ってくる。……いいな?俺が外出たら鍵をちゃんとかけて、チェーンもきちんとして、誰が来ても開けんじゃねぇぞ?」

「はいはいー、分かってますよ。んで電話も出ちゃいけないんでしょ?」

「留守電に入ったメッセージを聞いて、俺か近藤さんだったら出てもいい」

「はーい。ほら、そんなに心配しなくてもちゃんと大人しくしてますから、ね?早く行かないと遅刻しちゃいますよ?」

「あぁ、定時ぴったりにすっ飛んで帰ってくる」

「……ちゃんと仕事はしてください」

「今日はどこかに買い物に行く予定はあるのか?」

「………無視ですか。…別に、ありませんけど?あー、でもにんじんなかったから買いに行こうと思ってたんだった」

「分かった分かった、にんじんくらい俺が帰りに買ってきてやるから、お前は絶対に家から出るな」

「えーつまんなーい」

「つまんなーい、じゃねぇんだよ!お前は、世間の男共がどんな目でお前のことを見てるか分かってなさすぎだ!」

「土方さんが心配しすぎなんですよ」

「そんなことはねぇ。とにかく、絶対外には出るんじゃねぇぞ?」

「でもでも、それじゃあ土方さんが帰ってくる前にご飯用意できないじゃないですか」

「別に構わねえよ」

「うー…でも……疲れて帰ってきたら、すぐに休んでもらいたいじゃないですか…」

(……可愛いこと言ってんじゃねぇよ!今すぐ抱きたくなっちまうじゃねぇか!)

「………だから、やっぱり僕行きますよ」

「駄目だ」

「あーもう……ねぇ、ほんとに遅刻しちゃうから行ってくださいってば」

「何だよ、お前早く俺に消えろって言いたいのか?」

「……………違うし。はぁ、もういいです、下のエントランスまで送ります」

「な……何言ってんだよ、家に居ろって言ったばかりなのに、そんなの駄目に決まってるだろ!」

「いいからいいから。ほら、行きますよ(ぐいぐい)」

「あ、あのな、このマンションには随分と不埒な輩がたくさん……」

「あー、左之さんだ。おはようございます」

「なっ…左之だと?!」

「総司、それに土方さんもおはよう。朝からお熱いねぇ」

「ちょ、お前何で呼び捨てなんだよ!?」

「左之さんも今からご出勤ですか?」

「おう、……って、土方さんそんなに睨むなよ…」

「朝からそんなに顰めっ面してたら、夜には皺が定着しちゃいますよ?」

(指で眉間の皺を伸ばす)

「……………」

(だから可愛い真似はしてくれるなって言ってんだろうが!!行きたくなくなっちまう!)

「はは…骨抜きだな…………っあぁ!悪い悪い!だからそう睨むなって」

「ったく……何が嬉しくて左之助なんかに大事なエレベーターの時間を邪魔されなきゃならねぇんだよ」

「おいおい、エレベーターの中で何しようとしてたんだよ。宜しくやろうってか?監視カメラもあるのに?」

「そうじゃなくてだなぁ……はぁ、もういい。総司、こういう奴にはくれぐれも気をつけろよ?」

「はい?」


エレベーター1Fに到着


「じゃあ、総司行ってくるな」

「左之っ!!それは俺のセリフだ!何でお前が言ってんだよ!!」

「土方さんだって上で散々言ってたじゃないですかー。嫉妬深いと嫌われますよ?」

「嫌いになったのか?」

「…………………………ううん」

((何だ今のすっげー可愛い))

「……あーくそ、心配でたまんねぇよ。おい総司、そういや行ってきますのキスがまだだったな」

「は…………?」

「今ここでもらってもいい……おわっ!」

「じゃあなぁ総司!これは俺がしっかり会社まで連れて行くからよ!」

「はーい左之さん、宜しくお願いしまーす」

「左之ォォォ!!てめぇふざけんじゃねぇぞ!なに邪魔してくれてんだよ!!」

「土方さんにんじん忘れないでくださいねー」





いつまでも出勤できない土方さんと無意識にでれる総司くん。とちょっぴり総司が好きな左之さん。





「………なぁ、土方さん仕事してくれよ」

「いや、ちょっとこれ見ろよ。総司の奴今布団を干し終わって、ココア飲んでるところなんだとさ」

「………………」

「ココア飲んでる総司ってめちゃくちゃ可愛いんだぜ?おっまた返事来た……どれどれ…………なっ…テレビに出てる俳優が格好いいだと?!誰だそいつ!俺より格好いいってか!?…ブッ殺す!!」

(総司のやつ確信犯だな…………)

「………土方さん今日残業してくか?」

「嫌だ」





紆余曲折の末超特急で帰るとしさん





「ただいま………」

「(パタパタ)……あっ土方さんお帰りなさい!」

「あ…………」

「……ん?どうかしたんですか?……あぁ、その顔は"にんじん忘れた"顔ですね」

「な、何で分かるんだよ」

「ふふん、嫁の勘ってやつですよ……でも大丈夫。やっぱり帰ってきた時にご飯ができてないのは嫌だったんでメニュー変えときましたから」

「総司〜(デレデレ)」

「じゃあ土方さんに質問です。ご飯でもなくお風呂でもなく僕でいいですか?」

「な、なんだよそのみょーちくりんな質問は」

「えー、いいでしょー?ちゃんとご飯にラップかけときましたから」

「……お前は本当によくできた嫁だよ!」



そういえば、と昼間のメールを思い出したとしさん



「…おい、あの俳優誰だ」

「はい?」

「昼間メールで言ってた奴だよ」

「あぁ、…そんなのどうでもいいじゃないですか……ぁっ、ん」

「よくねぇんだよ!俺より格好いい奴はぶっ殺す!」

「物騒だなぁ…ん、……べ、別に、土方さんより格好いいなんて言ってな……っあ、ぁ、んっ!」

「ん?…聞こえねぇな」

「っ意地悪!土方さんが一番っ…好き、だからっ…ぁ!」

「総司っ………(もう我慢しねぇぞ)!!」



そして結局でれる総司。と理性が崩壊した土方さん。




*maetoptsugi#




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