bookシリーズ | ナノ


[16/21]



「…ふぁ〜ぁ………」

「お早うございます、土方さん」

「何だ…総司起きてたのか」

「えぇ、まあ……」

「そんなに人のことを見るなよ。おめぇ俺が起きるまで、ずっとそうやって見てたのか?」

「何恥ずかしがってるんですか?昨日あんなことしといて、今更ですよ」

「いやあれは……」

「僕、腰が立たないんですけど。誰かさんの所為で」

「…ま、あんだけ激しくやりゃあ、当然だよな」

「……土方さんだって、気持ちよかったくせに」

「おめぇが一番よがってたじゃねぇかよ」

「だって土方さんのこと大好きですもん」

「なっ…おめぇ何朝っぱらから積極的になってんだよ」

「別に積極的じゃありませんー。ただ思ったことを言っただけですー」

「そうかよ」

「……うぅ……さむ…」

「ほら、もっとくっつきやがれ」

「土方さんあったかーい。あ、もしかして僕といると心拍数が上がっちゃうとか?」

「ああ??誰がんなこと…いちいち上がってられるかっての」

「ねーねー土方さん」

「……何だ」

「一体どんな夢を見ていたんですか?」

「あ?」

「ゆ・め。見てたでしょ?」

「…いや……………」

「ふふ」

「何が可笑しい」

「隠しちゃって、全くもー仕方ないなぁ」

「別に俺は…」

「総司ーって、言ってましたよ。寝言」

「………………………」

「ねえ土方さん?僕と夢の中でもイイことしてたんでしょ?総司ー総司ーなんて言っちゃって。土方さんの変態ー」

「……」

「……ねぇってばぁ!素直に言ってくれたっていいじゃないですか」

「…いや、その…それは、つまり………あれだ。そろそろ大掃除しねぇと、ってことだ」

「はぁ?」

「掃除だよ。年の瀬だし、屯所の中、男所帯で相当汚ねぇだろうからな」

「ふぅん……土方さん、掃除が大好きなんですね」

「別に嫌いじゃねえが…」

「掃除に向かって好きだって言うくらい大好きなんですね」

「っ!!!」

「じゃあ土方さんは大好きな掃除の夢でも見ててくださいよ。僕は朝餉まで寝ますから」

「っおい、総司!拗ねるなよ」

「僕はもう寝ましたすぴーすぴー」

「寝たふりをするな!……ったく、悪かったよ。おめぇの夢を見てたよ!」

「もー。照れてないで最初からそう言っていればいいんですよ」

「悪かった。だから、こっち向け」

「………それで?どんな夢だったんですか?」

「……ただ、昔に戻って…総司が小さくて…俺が風呂に入れてやろうとしたら、おめぇが裸のまま逃げやがるから、怒鳴りながら追いかけ回していた夢だ……」

「へえ……随分と悪趣味な夢ですね…」

「て、てめぇ!このやろう!」

「ぐぁ……く、苦しー!!そんなにキツく抱き締めないでっ…」

「黙ってじっとしてろ。こうしてりゃ、『総司、愛してる』って寝言が言える夢を見られるかもしれねぇからな」

「っな………」

「分かったらさっさと寝ろ」

「……じゃ、土方さんと同じ夢が見られるように頑張ってきます」

「…おめぇ、自分で総司、愛してるって言う気か?」

「!ば、馬鹿ですか??!そんなわけないじゃないですか!もう!土方の馬鹿!意地悪!」

「じゃあ、何て言うんだ?」

「………早く寝てくださいよ」

「ああ?」

「っ……分かりましたよ!もう!土方さん、愛してる!って言うんです!馬鹿!」

「馬鹿は余計だ」

「お願いだからつべこべ言わずに寝てくださいってば!」

「分かったよ。おやすみ、総司」

「…………おやすみなさい」




*maetoptsugi#




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -