bookシリーズ | ナノ


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総司視点










せっせと働く休むことなく
隊務 隊務 らんらんら
繰り返しの毎日
気が付けば副長はお仕事

どっかで僕がいじけていても
無視され らんらんら
あなたは気付かない
ひたすら仕事に打ち込んで

心の奥底には いつもあなたのこと
「馬鹿げてる」 そう言い聞かせては
拗ねてあなたを無視した

「変わらない」と諦めて
佇む副長室には入れずに
夢ならば喜んで
「構ってください」と真面目な顔で


せっせと働け馬鹿げた隊士
面 胴 らんらんら
斬って斬られてよーいどん
気が付けば真っ赤になる刀

朝と夜とに巡察しても
浪士と乱闘だ
誰も気にしない
貪欲に誠を追っかけた

襖の向こうから 微かに漏れる声

仕方ないと膝開き
部屋の隅っこで甘い吐息を吐く
何処でもいい吐き出して
王子様はただ獰猛なだけ


「うるせぇよあっち行ってろ」と
襖の向こうであなたが言う
「大丈夫、襖は開けずとも」
「ここならあなたに近いでしょ」

そんな言葉は言いたくない
言いたくない 嫌 言いたくない
ねぇねぇ どこにも行かないで
傍にいて 話を聞いてほしい

「下らねぇ」と言われても
それでも あなたに構ってほしくて
冷たいよ 触れてほしい
いつまで経っても仕事は終わらずに

腕の中抱き締めて
「愛してる」なんて言われたならもう
溶けてしまうどこまでも
優しいあなたの声で泣いてしまう




*maetoptsugi#




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