今日もうきうき気分で土方さんの部屋に行って、
お仕事中の土方さんにちょっかいを出して遊んで、
いつものように土方さんが怒り始めて、
しめた構ってもらえるぞ!と思って更に嬉しくなって、
そしたら僕を追い払おうと土方さんが立ち上がったので、
きゃっきゃふざけて部屋の暴れまわっていたら、
土方さんに捕まっちゃって、
つまみ出されそうになったので、
僕は首に抱きついてほっぺたに口付けてあげました。
そうしたら、
照れたのと、(多分)嬉しすぎたのとで、
どうしていいかわからなくなってしまったんだと思います。
慌てた土方さんがよろけて、
首にぶら下がったままの僕もろとも、思いっきり畳の上に倒れてしまいました。
その時です。
あの耳を覆いたくなる、不吉な音が聞こえたのは。
びりびりびりっ!
「「あ………(汗)」」
「あー………えっと、僕は巡察があるのでこれにて失礼しますっ」
ぐい。
立ち上がろうとしたら首根っこを引っ張られて、
僕はまた土方さんの上に倒れました。
「…てめぇいい度胸してんじゃねえか」
その時の土方さんの声は、とてつもなくひんやりしていました。
「さあなんのことだかわからないのでしつれいしますさようなら」
そして、とうとう雷が落ちてしまいました。
「総司ィィィィィィィ!この馬鹿やろう!障子破りやがって!障子代だって馬鹿にならねえんだぞ!」
「違いますよ、破ったのは僕じゃないです。土方さんの手です。僕見てましたよ」
「てめぇだよ!どうしてくれんだよ!」
「僕じゃないからどうもしないです」
「どっちにしろてめぇがあんなことしてきた所為だろうが!しっかり落とし前つけてもらうからな!」
「もういっそ穴が開いたままでいいんじゃないですか?風通しはよくなるし、外から土方さんのこと観察できるし」
「馬鹿言ってんじゃねぇ!近藤さんに報告してくる!」
「へえ……口付けられて嬉しくて暴れていたら、障子を破ってしまいましたとでも言う気ですか?」
「…もういい!仕置きは俺がする!」
「げ………」
「げ、じゃねえ!逃げんな!」
「きゃーきちくー!」
「障子の貼り替えもてめぇがしろよ?」
「うぅ………」
土方さんがする"お仕置き"なんて一つしかありません。
まぁ、こうなることを予想しないでもなかったんですけど……
そのあと僕はみっちりお仕置きを受けました。
だからお願いです。
障子を破っちゃったことを許してください。
総司。
「という反省文を総司から受け取ったのだが、」
「…近藤さん、頼むからその件だけは不問に処してくれ」
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