bookシリーズ | ナノ


[14/21]



今日もうきうき気分で土方さんの部屋に行って、

お仕事中の土方さんにちょっかいを出して遊んで、

いつものように土方さんが怒り始めて、

しめた構ってもらえるぞ!と思って更に嬉しくなって、

そしたら僕を追い払おうと土方さんが立ち上がったので、

きゃっきゃふざけて部屋の暴れまわっていたら、

土方さんに捕まっちゃって、

つまみ出されそうになったので、

僕は首に抱きついてほっぺたに口付けてあげました。

そうしたら、

照れたのと、(多分)嬉しすぎたのとで、

どうしていいかわからなくなってしまったんだと思います。

慌てた土方さんがよろけて、

首にぶら下がったままの僕もろとも、思いっきり畳の上に倒れてしまいました。

その時です。

あの耳を覆いたくなる、不吉な音が聞こえたのは。

びりびりびりっ!


「「あ………(汗)」」





「あー………えっと、僕は巡察があるのでこれにて失礼しますっ」


ぐい。

立ち上がろうとしたら首根っこを引っ張られて、

僕はまた土方さんの上に倒れました。


「…てめぇいい度胸してんじゃねえか」


その時の土方さんの声は、とてつもなくひんやりしていました。


「さあなんのことだかわからないのでしつれいしますさようなら」


そして、とうとう雷が落ちてしまいました。


「総司ィィィィィィィ!この馬鹿やろう!障子破りやがって!障子代だって馬鹿にならねえんだぞ!」

「違いますよ、破ったのは僕じゃないです。土方さんの手です。僕見てましたよ」

「てめぇだよ!どうしてくれんだよ!」

「僕じゃないからどうもしないです」

「どっちにしろてめぇがあんなことしてきた所為だろうが!しっかり落とし前つけてもらうからな!」

「もういっそ穴が開いたままでいいんじゃないですか?風通しはよくなるし、外から土方さんのこと観察できるし」

「馬鹿言ってんじゃねぇ!近藤さんに報告してくる!」

「へえ……口付けられて嬉しくて暴れていたら、障子を破ってしまいましたとでも言う気ですか?」

「…もういい!仕置きは俺がする!」

「げ………」

「げ、じゃねえ!逃げんな!」

「きゃーきちくー!」

「障子の貼り替えもてめぇがしろよ?」

「うぅ………」


土方さんがする"お仕置き"なんて一つしかありません。

まぁ、こうなることを予想しないでもなかったんですけど……

そのあと僕はみっちりお仕置きを受けました。

だからお願いです。

障子を破っちゃったことを許してください。

総司。





「という反省文を総司から受け取ったのだが、」

「…近藤さん、頼むからその件だけは不問に処してくれ」




*maetoptsugi#




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -