bookシリーズ | ナノ


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ハロウィンの小さな謎解き



「土方さんに問題です。

さっきまで、ここに僕が土方さんのために用意したお菓子が置いてありました。

でも僕がちょっと目を離した隙になくなってしまいました。

さて、お菓子は一体どこに行ってしまったでしょうか?」


「お前、それは問題じゃなくてただの質問だろ」


「謎解きとも言います」


「それで、検討はついてるのか?」


「まぁ、僕の推理によれば、犯人は二人に絞られますよ。

一人目、僕。

二人目、土方さん」


「何故そう言い切れる?」


「何故なら、……今土方さんの部屋には、僕と土方さん以外誰もいないからです」


「いや、分からねえぞ?案外ジャックオランタンの仕業かもしれねぇ」


「土方さんが非科学的なことを言うと興醒めするのでやめてください」


「ちっ…分かったよ。でぇ、お前の推理の続きは?」


「はい、僕は、犯人は土方さんだと思います。なぜなら僕はやってないからです」


「つまり、てめぇは俺に、"ここに置いてあったお菓子を知りませんか?"と聞けばそれでよかったわけだ。そんな回りくどい謎解きゲームなんざしなくとも」


「じゃあ聞きますけど、僕のお菓子をどこにやったんですか?土方さん」


「さぁな、探偵さん。推理を披露してみろよ」


「僕の考えはこうですよ。

僕にトリックオアトリートって言われた時のためのお菓子を、あなたは用意していなかった。

だから、僕のお菓子をこっそり盗んで代用しようとした」


「残念ながら不正解だ、探偵さん」


「えー。ていうか答え知ってるなら早く教えてくださいよ、というかお菓子返してください」


「総司」


「……何ですか?」


「トリックオアトリート」


「はぁ?だからぁ、僕があげようとしたお菓子を土方さんが取っちゃったんじゃないですか!」


「そうか、なら遠慮なく悪戯させてもらうぜ」


「ま、まさかそれが目的で……!?」


「………そうだって言ったら?」


「性悪ですよ、土方さん……」


「好きな奴に悪戯してぇ、ただの男だよ」





ハロウィンだって何だって、土沖にとっては濃厚なエッチをするための口実にすぎない。




*maetoptsugi#




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