裏注意*



「んっ…」



エースくんの唇が鎖骨辺りに触れる。時折リップ音を出しながら鎖骨から胸の方へ下りていく。


シャツを捲った手は胸を揉んでいて、時折先端を掠めた。


「ん…」



エースくんが触れればそれは電気が通ったみたいに感覚が伝わって、自分の意思に反して身体が震えた。


エースくんのしようとしてることはわかっている。
怖いし止めたい。だけど、目を強く閉じてされるがまま


頭の中でエースくんの言葉を反芻する。



“お前はおれのだろ”



あんなこと言った後にこんなのズルい…。

その言葉に肯定をしてしまった手前、強く抵抗できない。



降りていたはずの唇がまた合わさって、舌を絡められる


片方の手は優しく頭を撫でられる
その優しい手つきはいつものエースくんとは思えないほど。だけど、本当は優しい人だってこと知ってる。

それに身を任せるようにわたしはまた目を閉じた。


まるで全身から力を抜くようにゆっくりで優しい手つき



長いキスが終わり、エースくんは耳元へ唇を寄せていく。

耳の形を舌でなぞられると、ゾクゾクとした気持ちになった。



「名前…」



ドクンッ



耳元で囁かれ大きく心臓が跳ねた。

薄く目を開くと、とても切ない表情のエースくんと目が合う。


どうしてっ…、そんな表情…。


考える間もなく、すぐに視界が遮られて、シャツを脱がされたのだと気付く。

晒された肌に直接エースくんの肌が当たって…、なんて言うか、気持ちがいい。

シャツはそのままベッドの下に落とされた。



くちゅっ…




「ひゃっ」



エースくんが胸の先端を口に含んだ。


エースくんはそのまま軽く吸い、舌先で何度も突く。
手はもう片方の先端を摘まんで刺激を与えてくる。



「あっ…、やめっ…」



止めたいのに、刺激のせいでうまく言葉に出来なくて
まるでわたしの声は聞こえていないかのようにエースくんは胸を責め続ける。


「あ…あっ…」


思わず胸をいじるエースくんの手を掴んだ。



「あ?」



一瞬動きを止めたエースくんがこちらを見上げ目が合う。

だけどこちらを見上げるエースくんはそのまま舌先で先端を突いた。



「あぁっ…」


しっかりとその刺激に反応してしまう自分が恥ずかしくて。

それにエースくんの仕草があまりにも色っぽくて、艶やかで…、直視できなくなって両手で顔を覆った。

それに何を思ったのかエースくんの与えてくる刺激はより激しくなった。



「んんっ…」



声を抑えながら与え続けられる刺激に耐えていると、両手首を掴まれて顔から引き剥がされた。

そのまま顔の横で手がシーツに沈む。

驚いて目を開けば、なんとも怪しい笑みを浮かべたエースくん



「見てろよ」
「あっ、やだっ…」


くちゅっ


声を抑えることもできず、顔を隠すこともできず
ただ、何度も攻められるそれに耐えるしかなかった。


恥ずかしい


やめてほしいのに…


やめてほしくない…

下腹のあたりがキュンとする。

エースくんから与えられる感覚は中毒性があると感じた。


必死に声を抑えようと下唇を噛んでも隙間から声が漏れる。
手で抑えたくてもエースくんはそれを許してはくれなかった。


そのうちエースくんの手が腰辺りを撫で始める。
そのまま履いていたズボンを下ろされ、下着越しに指が触れた。
下着の上からエースくんの指が往復し、じわりと何かが滲んでいるのを感じた。



「んぁっ…、やっ…、んん…」



僅かに足を閉じようとするも、すぐにエースくんの身体が割って入りそれは叶わない。
わたしが何か言おうとしてもそれはエースくんの唇に飲み込まれた。



「んんんっ…、んはぁっ…」
「名前…、力抜け…」
「あぁっ…!」


キスの合間に言われた言葉を理解できないまま、すぐに今まで感じたことのない刺激に襲われる。
下着の隙間からエースくんの指が直接触れ、そのまま中に入って来た。


そのままゆっくりと出し入れを繰り返される。
たったそれだけの動きでもわたしには初めての感覚で、エースくんの指の動きに合わせて声が漏れた。



「やっぱ、狭いな…」



エースくんがそう呟いた後、入れている指の数が増えた。それに動きが変わる。
くにっと曲げたり内側の壁を擦るみたいな。しかもそれがだんだんと激しくなってくる。
さっきまでの緩いものとは全く違う刺激にわたしの身体も敏感に反応する。
くちゅりと音の質まで変わったように感じる。



「ぁっ、あっ…、やだっ…、んっ…やめっ…」



わたしが声を出してもエースくんは手を止めることはなかった。

自分でもよく知らない箇所をエースくんに探られている。
その事実がわたしの羞恥心を煽った。


水音もさっきとは比べ物にならないほどに増している。


エースくんの中を探ぐるような動きが続き、なにかが迫って来るような感覚が襲う。



「えっ、エースくんっ…なんかっ…へっ…あっ…あぁぁっ…!!」



一瞬。
目の前が真っ白に、いや、真っ暗?よくわからない。

感じたのは強い快感


ガクガクと身体が震え、強く閉じた目がすぐに開けない。



「イッたか」
「はぁっ…、ぁっ…」


エースくんの低い声に薄く片目を開けると、舌なめずりをしてわたしを見下ろしている彼と目が合った。

今のエースくんは捕食者。その言葉が一番似合う。

そのまま口を塞がれ、舌が侵入してくる。


食べられる…。


それが素直な感想だった。

だけど、エースくんのキスは最初から変わらず優しいもので、さっきので強張った身体からゆっくりと力が抜けていく。


カチャ……


唇が離れるとすぐ、ベルトを外す音がして、一度身体が離れる。
バサッと衣服が脱ぎ捨てられる音がして、またエースくんの体温が近づく。

エースくんの重みでベッドがギシリと音を鳴らす。



「名前……」



両手をついてわたしを見下ろすエースくんの表情は読めない。

それは今までに見たことがないものだったから。

だけど、今まで見た中で一番、魅力的だと思った。


額、鼻、頬、唇、首筋、鎖骨…


順にキスをしていき、それが腹部に到達した。
両手で脚を開かれ、エースくんの顔が沈んだ。

何をされるのかわからない。

おそるおそるエースくんの行動を見ていると、突然感じたことのない快感が襲う。



「ひゃあぁっ」


エースくんの舌がわたしのソコを舐め上げたのだ。
感覚が敏感になっているソコにざらざらとした舌の感覚はあまりにも刺激的で、悲鳴に近いものが出てしまった。



「ま、これはまた今度じっくりな…」



そう悪い笑みを浮かべたエースくんは身体を起こし、わたしの脚の間に割って入ると、そのまま覆いかぶさった。



「それより早く挿れたい」



額同士をくっつけ、鼻と鼻が付く距離で微笑む。

バクバクと心臓が鳴りやまない。



「力抜けよ」



硬く大きくなった先端が入口にぐっと当てられる。
途端にギュッと目を閉じると、すぐに唇を塞がれ、エースくんの片手が胸を弄った。



「んっ…ぁっ…ぃっ…!!」




ソレがゆっくりと、中を押し広げ入ってくる。

裂けるように痛い。
涙が目の端を伝った。



「ぃっ…」

「くっ…さすがにキツイな…」



エースくんの額にも汗が滲んでいる。
少しエースくんが腰を引いて一瞬痛みがましになった。

だけどそのままさらにグッと押し進められる。



「いっ!」
「悪い、痛ェよな…」



エースくんは他の場所にも刺激を与えながら、慣らすようにゆっくりと前後に揺らして徐々に徐々に奥へと入ってきた。



「いた…」
「もうっ…少しだ…」



わたしの目の端に溜まった涙を親指で拭い、またキスをした。

舌を絡められ、もう何も考えられない。

唇が離れ二人が糸で繋がった。
それがプツンと切れた時。エースくんが「入った…」と呟いた。

そしてそのまま抱きすくめられる。


腹部になんとも言えない圧迫感

そこにエースくんがいるのだと全身で感じる。

少しでも動いたら強い刺激になる。

それがわかる。


エースくんはわたしの肩口に顔を埋めたまましばらくじっとしていた。

あまりの沈黙に耐えきれなくなり声を掛けようとする。



「エー…ひゃぁっ!」



その瞬間に軽く打ち付けられた腰、エースくんのソレが奥に当たって大きく声が出た。

ゆるゆると繰り返されるその動き

エースくんの動きに合わせて出る声が止まらない。



「いっ…あっ……」



エースくんは何も言わず、わたしを抱きしめたままただ腰だけを動かし続ける。
動く度に痛みが伴うがそれにはだんだん慣れていき、別の感覚が襲ってきた。

それによって、漏れる声もだんだん甘くなってくる。



「あっ……、んっ…あぁっ…」



ずっと顔を伏せていたエースくんが起き上がる。

その瞳と目が合い、ギュッと胸が締め付けられた。


どうしてそんなに…辛そうなの…


エースくんはわたしの腰を掴み一度大きく打ち付けた。
その刺激があまりに大きくてわたしの腰が大きく跳ねる。



「あぁぁっ…!!」


目を見開いて喘げば、エースくんはスッと微笑んだ。
優しく微笑むというよりも恍惚した表情だった。



「こういうの好きかよ」



何度か同じ動きを繰り返し、その度わたしは同じように強い快感に悶えた。

辛そうな表情だったのは一瞬で、今は楽しんでいるようにすら見える。


今まで知ろうとしてこなかったエースくんのこういう一面、これまでにもこうしていろんな女の人を抱いてきたのだろう。


身体を揺さぶられながらそんなことをぼーっと考えて、虚しくなる。


だけど、あっという間に腰を打ち付ける動作が激しくなっていき、そんなことを考える余裕はなくなっていった。



「あっ、あっ、あっ…、やぁっ…はぁっ…!はげしっ…!!」



さっき感じた感覚と似ている強い快感が迫ってるのが分かった。



「くっ…!」


エースくんも苦しそうに表情を歪めている、だけど腰の動きを止めるどころかより激しくなる。

肌と肌がぶつかる生々しい音と、激しい水音、それにわたしの声
それらが室内を埋めつくすように響いていた。



「もっ…だめっ…、あぁぁっ…!!」


さっき感じた強い快感が襲い、全身が震える。
わたしが達したことに気付いていてもエースくんは揺さぶりを止めない。
だけどそれもすぐエースくんが達したことで終わる。



「くッ…あぁっ…」



エースくんが達したと同時にソレは抜かれた。



「んっ…」



はぁはぁとお互いに息を整えるなか、隣に倒れ込んだエースくんの腕がわたしを引き寄せ、足が絡められ拘束される。

頭の上でエースくんも息を整えているのがわかる。息を整えるのに深く息を吸うとエースくんの匂いがいっぱいに広がった。



「あー…、よかった」



目の前にはエースくんの胸板があって今更ながら近い距離に緊張した。
少し見上げるとエースくんもわたしを見ていて「ほんとはもっとしてぇけど」と言う。

それと同時に足に当たる硬いモノ。

瞬時に顔を赤くすればエースくんは少し吹き出す。



「ま、また今後な、覚悟しとけ」



そして満足そうに微笑むと、さらにギュッと抱き寄せられた。



「もう寝ろ」



こんなにもエースくんに囲まれているなんて落ち着かない。
だけど、初めての行為による疲労は確実に自身の体力を奪っていて、緊張で眠れないなんて心配は考える間もなく、わたしは睡魔によってそのまま意識を手放した。

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