小説 | ナノ


▼ 珈琲屋のお客さん 2

土曜日。13時。バイト前。
俺はバイト前、街に来ている。目的は今日発売される漫画の新刊。

街中で一番大きな本屋に入って、漫画コーナーに行き、新刊をさっと取って書籍コーナーに向かう。漫画もすきだけど、俺実は本も結構すきなんだよね。

面白そうなタイトルがないか、吟味しながら前を見ず歩いていると、どんっと人にぶつかった。


ちゃんと前向いて歩けよクソ野郎と、自分のことは棚にあげてぶつかったそいつを見ると、そこには例の客がいた。

「あ、あの、すみません。あ、こ、珈琲屋のお兄さんですよね??」

客は、申し訳そうな顔をしながらも、俺に会えて嬉しいのか今日も相変わらず目からハートを飛ばして俺を見つめてくる。可愛い。顔射したい。可愛い。

「チッ。」

可愛すぎて思わず舌打ちをしてしまった。客は、俺の舌打ちを聞くと目をさらにとろんととろけさせた。おい、涎垂れそうだぞ。ほんと可愛いな。その口に今すぐ俺のナニ突っ込んで喉奥までガンガン犯してぇ。

「は?誰かと間違えてないっすか?」

はい、そうです。と答えたかったのに、口から出たのはバカにしたような口調と言葉。
客と近づけるチャンスだぞ俺!!!何言ってるんだ馬鹿野郎!!!!

「あ、そ、そうですよね...すいません...」

客の目に少しだけ涙が見えた。無理やり犯したらこんな顔すんのかなぁとか考える俺は末期かもしれない。

そのまま客は走ってその場から去って行った。
時計を見る。そろそろバイトに向かわないと。








その後のバイトには全然身が入らなかった。
バイトをしていても、あいつの今にも泣きそうな顔が頭の中に何度も浮かんできた。
俺はバイト中、頭の中であいつを何度も犯した。


その日、土曜日にはいつも店に来るはずなのに、とうとうあいつは姿を見せなかった。

prev / next

[ back to top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -