日常編 | ナノ




こんにちは。

只今ツナとリボーンと一緒に勉強中。
…でもリボーンの教え方はツナが可哀想なのだ。

ツナが間違えるたび家は爆発している。
え、ほんとに大丈夫なのかな。


そういえば先日、京子が家に来てロシアンルーレットで遊んだ時も大騒ぎだったなぁ。

何故かその時の記憶はあんまりないんだけど。
だから私もロシアンルーレットに撃たれたことは知らない。


とにかく今日は大騒ぎになるようなことないといいけど…。




そんなことを思っていると、窓からリボーンくらいの小さな男の子が見えた。
モジャモジャ頭で牛柄のシャツを着ていてすごく特徴的な子だ。


誰だろう、この子。




「久しぶりだな、リボーン!オレっちだよ、ランボだよ!」



それからすぐにその男の子は部屋に入ってきた。

どうやらこの子はランボくんと言うらしい。
ランボくんいわくリボーンの知り合いっぽいけどリボーンは無視。

挙句の果てにランボくんはリボーンに振り払われて壁に激突するし。



「ランボくん…大丈夫?」

「杏、そんなやつ気にすることない」



ランボくんからは返事がなく、代わりにリボーンから返事が来た。

何てこと言うんだ、リボーン。
そう反論しようと思ったら、壁に激突したランボくんがいきなり笑い叫びだした。



「イタリアから来たボヴィーノファミリーのヒットマンランボさん5歳はつまずいちまった!
大好物はブドウとアメ玉でリボーンとバーで出会ったランボさんはつまずいちまった〜!」


「(ランボくんがおかしくなってるよ、ツナ…)」

「(うん、なんか…一生懸命自己紹介してる…)」



この状況に困った私とツナは目線で会話をしていた。
…ちゃんと伝わったかは分からないけど思っていることはだいたい同じだろう。


この後もしばらくこんな状況が続いていたが(ランボくんが一人でしゃべってみんな無視)、
ランボくんのある武器によって大惨事になるとは誰も思ってはいなかった。






ある武器とは10年バズーカのことだ。




「…ここ、どこ……?」



あの後、ランボくんの武器の10年バズーカに私は撃たれてしまった。

10年バズーカは5分間だけ10年後の世界へ行けるらしい。タイムスリップってやつ。

本来状況的にはランボくんが自分に撃とうとしたのだが、手が滑ってバズーカが撃たれたのは私だったのだ。


…となると、ここは10年後の世界のはず。でも…




何、ここ


これは場所と言えるのだろうか?


辺り一面、何もなく、少し見渡してみると
右は一面真っ白で、左は一面真っ黒。


私が立っているのは丁度白と黒の狭間。



まるで天と地、陸と海のように互いが相反しているのが私の目の前にある、そんなような光景だった。






「……!?」



そんな何とも言えない光景の中、一人立っているといきなり目眩と共に地響きが起きだした。

な、何これ…!


目眩と地響きが強くなる。
するといきなり視界が変わり始めて今度は見慣れない建物の中にいた。

すごく規模が大きくてとにかく広い建物だ。


一体何がどうなってるの…?




不思議に思いながらとりあえずその建物内を歩いていると、前方に美形のお兄さんがいた。

黒い髪が綺麗でスーツ姿でかっこいいなぁと呑気に思っていたら、その人は私の事を見て目を見開いていた。

私、何か変なのかな?





「杏…?」



その人はまるで信じられないような表情で私を見た。



「?そうですけど…貴方は…っ!?」



「貴方は誰ですか」、そう聞き終える前に
私はその人に抱きしめられていた。



「あああ、あの…?」



いきなり抱きしめられるなんて一体なんなの?
しかもこんな美形さんに…。

私はパニックになっていたが、その人は対照的に無言のまま抱きしめていたのだ。




「杏…僕は…」




ボンッ



その人が何かを言いかけた時、
5分間のタイムリミットが来てしまったようだ。


その人が言った最後の言葉は分からなかったけど、すごい切なそうだった。

その表情がすごく脳に焼き付いてしまったけど、なるべく気にしないようにした。



だって、まだ10年後のことなんて分からないから




そして私は無事、いつものツナの部屋に戻ってきたのだ。



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