超次元ロボ ダイユーシャ7








まとめるとアイチと言う少年は宇宙の果てから来た…人間と良く似た生命体と考える。そして彼は体内に『サイクオリア』と言われる神秘の秘宝を宿していて、それが原因で悪い奴らに追われていることを理解した。

そんなアイチの肩に乗るのはダイユーシャというロボットだ。
ダイユーシャは彼、つまりアイチを悪い奴らから守るための護衛としてこうして共にしているのだと言う。


光定は小さい頃は捨て犬は放っておけない性分だった。捨て犬と言わず野良でもなんでも家に持ち帰って、親に「飼う事など出来ない」と何度も怒られた。そのたびに拗ねて家を飛び出した。
結局、見ていられなくなった臼井家のユリが引き取って行くものである。そのせいか臼井家は最早動物だらけともなりえる。


そんなことを懐かしくも思い出しながらアイチを見ていた。アイチは犬じゃない。人一人を匿うにも相当の根気と注意が必要だ。
それ以前に母親になんて説明するつもりかなどさらさら考えていない。
前言撤回はする気はないが、じんわりと後悔している。もっと後先を考えるべきであったと。


「えっと、光定さん?」

「へ?」


アイチに呼び掛けられたところで何か悩みから引っ張り出されたような気がした。

じっとりと汗をかいていた。
思えば梅雨明けから一気に気温がはね上がって、都会でも少しずつ蝉が鳴き始めた。しかし今額に溢している汗は暑さ故ではない。


「ケンジー? 夕食作ったから降りてきなさい!」


それは紛れもなく母親の存在に少しばかり恐怖しているからだ。




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