超次元ロボ ダイユーシャ6








光定ケンジはロボットが、プラモデルが大好きだ。人気なモデルが出たときは徹夜で並んだこともあるし、小さい頃はいつかロボット開発に携わりたいとか考えていた。

しかし目の前でロボットが喋っているということはあまりに現実味がなく感じた。


『アイチ殿が宿しているサイクオリアは秘宝であり、無限に自然のエネルギーを抜き出す事が出来るものだ』

「秘宝……? 君が?」

「はい、でも完全な物ではないんです……僕が持っている力は」


アイチは申し訳ないような困った笑顔を浮かべながら光定を見た。どうして完全ではないのか、少し引っ掛かるが今は何も言い返さずにじっと話を聞くことにした。


『サイクオリアを狙って来たもの達はシャドウパラディンと言う遥か果てから来た機械生命体だ……奴らはアイチ殿の故郷を破壊し、そして今も付け狙っている』

「どうしてサイクオリアを望むんだ?」

『分からない、しかし良からぬ事に使おうとすることは確かだ』


ロボットが喋ることに驚く、と言うよりは今起きている状況の方があまりに掛け離れていた。映画に出来そうな壮大な設定はどうも自分は入っていけない。


「と、とりあえず君たちがすごく大変なことは分かったよ、協力出来る事があったら協力するよ」

「本当?」

「母さんにも話した方がいいかなぁ」


キラキラと瞳を輝かせる姿につい心を奪われそうになる。しかし何より、男とはいえ人一人を匿うことを母は許してくれるか、それが気掛かりだった。




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